ポジショニングを実施する上で、体位を検討することはどのようにクッションを入れるべきかということと同様に非常に重要ない意味を持ちます。
多くの場合、褥瘡への対応として30度側臥位、あるいは半側臥位と呼ばれる体位が選択されることが多いです。
そのうえで、拘縮予防のためにどのようなクッションの当て方をするかが検討されます。
しかし、この方法はポジショニング提供の前提部分から見直しが必要であると私は考えています。
ポジショニングにおいてまず検討すべきことは目的です。
この目的は0か100かで何か一つに決められるわけではなく、優先順位の検討を行う必要があるということです。
例えば、先ほどの褥瘡予防のために用いられる半側臥位ですがこれは拘縮予防のためには、マイナスの影響を及ぼすことが多いです。

拘縮予防に向けては仰臥位、あるいは完全側臥位がその姿勢の安定性から有用であることが多いといえます。
このように各体位はそれぞれにメリットデメリットが存在し、目的に応じて当然ですが適した体位が変化します。
これらを検討することなく、褥瘡予防のための半側臥位を選択することは、逆にその方の拘縮を強めてしまっている可能性があることを認識する必要があると考えます。
各体位による姿勢の影響を考える際は、マットレスからの圧の問題(主に褥瘡に影響)、これに加えて重力が各関節にどのような影響を及ぼすか(主に拘縮に影響)を検討し、現在の目的に適した対応をとることが求められます。
それぞれの体位の特徴と強み、ポジショニングの目的からどの体位をいつ、どのくらいの時間保持するのか、を検討してみてください。
クッションの当て方は、そのあと考えるべき視点であると私は考えています。
投稿者
波野優貴先生

理学療法士
福祉用具プランナー
シーティングコンサルタント
勤務先
◯SOMPOケア株式会社
◯大阪府立大学 非常勤講師
福祉用具論の一部を担当
