資格よりも価値を創れ!リハビリ職種の新しい競争軸

2025年現在、リハビリ職種の過剰供給時代が現実味を帯びてきている。

医療機関におけるリハビリ提供は、在院日数の短縮や診療報酬の見直しによって横ばいから頭打ちの状態となりつつある。

一方で、在宅リハビリ、通所リハビリといった生活期領域への需要が着実に拡大している。

これまで本ブログでも、リハビリ職種過剰時代にどう備えるか、またセルフマーケティングの重要性について述べてきた。

今回は、その中でも「キラーコンテンツ」という考え方を取り上げたい。

キラーコンテンツとは「圧倒的な魅力と独自性を持った情報・スキル・サービス」を意味する。

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士といったリハビリ職種は、それぞれ固有の専門技術を有している。

しかし、養成校を卒業し、数年の臨床経験を積んだだけでは真の専門性は身につかない。

確かに、標準的な評価や運動療法、ADL訓練などは行えるようになるが、高度な臨床判断やチーム医療、地域包括ケアの中での支援設計など、より複雑な領域に踏み込むには、体系的な教育や経験が圧倒的に不足しているのが現状である。

一方で、社会がリハビリ職種に求める専門性は年々多様化している。

急性期や回復期だけでなく、在宅、介護、地域支援、企業、教育、研究など、活躍のフィールドは広がっている。

しかし、その変化に対して十分に対応できる専門性を持つリハビリ職種はまだ少ない。

だからこそ、今の時代は「尖った専門性」を持つ人材が注目されやすい。

SNSやオンラインセミナー、動画発信などを通じて、個人の専門性を社会に可視化できる時代になったことで、自らの強みを武器にすることが可能になっている。

専門性が社会や組織に貢献するものであれば、それはキラーコンテンツとして成立する。

例えば、在宅リハにおけるポジショニングや福祉用具活用、認知症や終末期リハへの実践的支援、チームマネジメントや教育設計、エビデンスに基づく臨床技術の体系化などは、すでに高いニーズを持つ領域である。

そこに自分ならではの視点や理論、経験を掛け合わせることで、リハビリ職種としてのブランド価値は大きく高まる。

リハビリ職種過剰時代を生き抜くには、単に基本技術を磨く自己研鑽だけでは足りない。

これからは、自分だけのキラーコンテンツを開発するための自己研鑽へとシフトする必要がある。

そのためには、まず自分が今どのような目的で学んでいるのかを整理することが重要だ。

単なる勉強ではなく、「誰に」「どんな価値を」提供したいのかを明確にすることが、キャリア形成の第一歩となる。

2025年、リハビリ職種の競争はすでに始まっている。

差を生むのは学歴でも勤続年数でもない。

あなた自身が社会に提供できる「キラーコンテンツ」こそが、これからの時代における最強の武器になる。

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筆者
高木綾一

理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)
三学会合同呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
国家資格キャリアコンサルタント
株式会社Work Shift代表取締役
関西医療大学 保健医療学部 客員准教授

医療・介護分野の経営戦略や人材育成に精通し、年間100回以上の講演を実施。
医療機関や介護事業所の経営支援を通じて、組織の成長と発展をサポートする。
著書には 「リハビリ職種のキャリア・デザイン」 や 「リハビリ職種のマネジメント」 があり、リハビリ職種のキャリア形成やマネジメントの実践的な知識を提供している。
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