看護師不足は長く語られている。採用難や離職増が続く一方で、いわゆる「潜在看護職員」が相当数いる点が重要である。
厚生労働科学研究(令和2年度)では2018年末時点の潜在看護職員(看護師・准看護師)を推計し、約79.4万人(65歳以上含む)、65歳未満でも約69.5万人としている。 (厚生労働科学研究(報告書)「潜在看護職員数の推計」)
ここから分かるのは、「資格者が多い」ことと「現場が足りる」ことは一致しないという事実である。
夜勤、急変対応、責任、対人ストレスに加え、産休育休や介護などのライフイベントが重なりやすく、離職・休職・潜在化が起きやすい構造がある。
ではPT・OT・STなどのリハビリ職種はどうか。
看護ほど「潜在PT・潜在OT・潜在ST」が社会課題として大きく語られる場面は相対的に少ない。
これは、少なくとも現時点では、PTOTSTで本格的な競争が起き切っていない状況を示唆する。
能力や適性の有無にかかわらず、同じ賃金テーブル、同じ役割のままでも就労が継続しやすい・・・そのようなメカニズムが職場側の制度として作用しやすいからである。
しかし、この「競争が起きにくい」状態は永続しない可能性がある。
厚労省検討会資料では、PT・OTは現時点で供給が需要を上回り、2040年頃に供給が需要の約1.5倍となる推計が示されている。
供給が増え、財源制約が強まれば、組織は人数ではなく成果・再現性・標準化・育成力を求めやすい。
よって今必要なのは精神論ではなく、キャリアの設計と評価の仕組みの整備である。
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理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)
三学会合同呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
国家資格キャリアコンサルタント
株式会社Work Shift代表取締役
関西医療大学 保健医療学部 客員准教授
医療・介護分野の経営戦略や人材育成に精通し、年間100回以上の講演を実施。
医療機関や介護事業所の経営支援を通じて、組織の成長と発展をサポートする。
著書には 「リハビリ職種のキャリア・デザイン」 や 「リハビリ職種のマネジメント」 があり、リハビリ職種のキャリア形成やマネジメントの実践的な知識を提供している。
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