なぜ「実力があっても評価されないのか」:検索時代のリハビリ職種キャリア戦略

「この分野で将来働きたい」「いつしかリハビリ職種として評価されて仕事をしたい」「将来、〇〇さんと同じような仕事がしたい」。

このような希望を語りながら、情報発信を一切行っていないリハビリ職種は多い。

ここで整理すべきは、希望の有無ではない。

希望と行動の整合性である。

希望や願望があるにもかかわらず、現実の行動が伴わない状態は、次の式で表現できる。

希望・願望 - 行動 = 言動不一致

情報発信をしないという選択は、「評価される場に出ない」という意思決定でもある。

もちろん、情報発信には時間がかかり、批判を受ける可能性もある。

よって、発信しないこと自体を否定する必要はない。

しかし、一方で、「評価されたい」「機会を得たい」と語るのであれば、評価の土俵に上がる行動が必要になる。

ここに整合性が問われる。

現在はインターネットとSNSの普及により、個人でも低コストで情報を届けられる。

つまり、情報発信の手段そのものが障壁であるケースは減っている。

問題は手段ではなく、情報発信の意思である。

現代において、人や組織が課題解決の手がかりを探す際、検索エンジンを用いて「知っている人」「できる人」を探すことは一般的である。

その意味でインターネットは、課題に対して解決者が比較・選択される場、いわば人材探索の市場として機能している。

図1 インターネットは人材探索市場

例えば、認知症領域で活躍したいと考えるリハビリ職種がいるとする。

地域の関係者が「〇〇県 認知症 リハビリテーション」と検索したとき、その人の名前や活動が何も出てこないなら、少なくとも検索経由での接点は生まれない。

市場において「存在していない」のと近い状態になる。

検索結果は能力の全てを証明するものではない。

現場の実力と検索結果は一致しないこともある。

ただし、検索結果に情報が出ないという事実は、「第三者がその人に到達する導線がない」ことを意味する。

導線がなければ、評価も依頼も紹介も生じにくい。ここは構造として理解すべきである。

結論として、希望や願望を持つことは自由である。

しかし、評価や機会を望むなら、評価の土俵に上がる行動が必要である。

希望と行動を一致させることが、最初の戦略である。

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筆者
高木綾一

理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)
三学会合同呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
国家資格キャリアコンサルタント
株式会社Work Shift代表取締役
関西医療大学 保健医療学部 客員准教授

医療・介護分野の経営戦略や人材育成に精通し、年間100回以上の講演を実施。
医療機関や介護事業所の経営支援を通じて、組織の成長と発展をサポートする。
著書には 「リハビリ職種のキャリア・デザイン」 や 「リハビリ職種のマネジメント」 があり、リハビリ職種のキャリア形成やマネジメントの実践的な知識を提供している。
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