ルールには種類がある。
日本に住んでいれば、憲法、法律、政令、省令、条例、条約などが思い浮かぶだろう。
職場であれば、就業規則や業界ルールなども存在する。
リハビリ職種も、こうした多層的なルールの中で働いている。
一見すると「ルールは平等なもの」に見えるが、それは幻想である。
ルールとは、「ルールを作った人や組織が、自らに有利になるように設計したもの」である。
国のルールを作るのは官僚や国会議員であり、官僚や国会議員に不利にならないように作られていることは明白である。
キャリアデザインでもビジネスでも、ルールを作る側が圧倒的に有利である。
「ルールなんてどうやったら作れるのか」「雇われの身分でそんなこと無理だ」と思う人も多いだろう。
しかし、「ルールは不平等である」という現実を直視することが、キャリア戦略の出発点である。
雇用される立場であれば、理不尽なルールにも従わざるを得ない。
従わないなら、解雇を覚悟しなければならない。
ルールを変えたいなら、経営者になるか、買収するか、最上級幹部になるかしかない。
だが、それは現実的ではない。
では、どうすればよいのか。
ルール作りに参画できる立場をつくることこそが、最も現実的な戦略である。
リハビリ職種が有利に働くためには、
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が有利に働ける診療報酬改定や介護報酬改定のルールを作ること、
地域連携の中でリハビリ職種が必要とされる仕組みを構築すること、
職場内でリハビリ職種が評価されやすい人事制度を提案・設計すること、
業界で通用するスキルや資格を得て、ルール上の優位性を手に入れること、
これらが重要である。
さらに上位戦略として、
リハビリテーションの技術や地域リハの分野でオピニオンリーダーになること、
未開拓分野でパイオニアとなること、
組織を立ち上げ、自らルールを設計することも
現実的な手段である。
ルールは平等ではない。
だからこそ、ルールを作る側になる。
これこそが、キャリアデザインとビジネスの核心である。
筆者
高木綾一

理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)
三学会合同呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
国家資格キャリアコンサルタント
株式会社Work Shift代表取締役
関西医療大学 保健医療学部 客員准教授
医療・介護分野の経営戦略や人材育成に精通し、年間100回以上の講演を実施。
医療機関や介護事業所の経営支援を通じて、組織の成長と発展をサポートする。
著書には 「リハビリ職種のキャリア・デザイン」 や 「リハビリ職種のマネジメント」 があり、リハビリ職種のキャリア形成やマネジメントの実践的な知識を提供している。
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