療法士の就職難は避けられない?人口減少時代に必要なキャリア形成の考え方

日本はすでに「療法士の過剰時代」に突入している。

理学療法士や作業療法士は人数が飽和しつつあり、就職や活躍の場の確保が容易ではなくなっている。

さらに、看護師や医師についても、今後10年ほどで同様に過剰時代を迎えると予測されている。

その背景には、日本の人口減少がある。

特に2040年から2050年にかけては高齢者の数も減少し始めるため、医療や介護の需要そのものが縮小していくと考えられる。

すなわち、これまで「人手不足」とされてきた医療・介護分野も、数十年後には「人余り」に転じる可能性が高いのである。

このような状況のもとで、大量に輩出された療法士・看護師・薬剤師・医師は、2040年頃には過剰供給に巻き込まれることになるであろう。

その時代に生き残るためには、専門職一人ひとりが「セルフマーケティング」を習得することが不可欠である。

セルフマーケティングとは、端的に言えば「自分という商品を市場に購入してもらうための取り組み」である。

自分の強みや価値を把握し、それを必要とする人や組織に訴求する行為を意味する。

しかしながら、「自分がどのような商品であるか」が明確でなければ、マーケティング活動は効果を発揮しない。

医療・介護従事者にとっての商品とは、自身の能力や経験そのものである。

スキルや得意分野が魅力的であればあるほど、必要とされる場から選ばれる可能性が高まる。

そこで重要となるのが「セルフリサーチ」である。

セルフリサーチとは、自分の能力や経験を客観的に整理・認識する取り組みを指す。その方法として、

  • 自らのスキルや経験を紙に書き出す

  • 知人や同僚に自分の特徴について語ってもらう

  • 幼少期から現在までで最も充実していた経験を書き出す

といった手法が挙げられる。

セルフリサーチの結果、

  • 脳卒中リハビリテーションに強みを持つ

  • 地域連携業務に適性がある

  • 急性期リハビリに自信がある

  • マネジメント業務に情熱を傾けられる

といった点が明らかになれば、それらはすべて商品となり得る。

要するに、まず自分自身を商品として理解することである。

これこそがセルフマーケティングの第一歩であり、今後の厳しい競争を生き抜くための基盤となるのである。

筆者
高木綾一

理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)
三学会合同呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
国家資格キャリアコンサルタント
株式会社Work Shift代表取締役
関西医療大学 保健医療学部 客員准教授

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