批判と嫉妬は紙一重

批判を好む人がいる。

批判することで自らの存在を誇示する人がいる。

批判をキャラクター化して炎上を狙い、注目を集める人もいる。

さらに、批判そのものをマーケティングの手段として利用する人さえいる。

ある哲学者は「意見が成立するのは批判があるからだ」と述べている。

つまり、批判とは本来、単なる否定ではなく、ある意見に対して別の視点を提示する行為であり、いわば「対案」に近い意味を持つ。意見と対案が揃ってはじめて議論は成立する。

しかし、現実には、批判を相手を追い詰める武器として使い、自らの立場を高めようとする人が存在する。

そうした人々はしばしば自己顕示欲が強く、同時に嫉妬心を抱いている。

批判の矛先に立つ相手に対して、内心では「嫉妬」を感じているのである。

嫉妬とは、自分の価値を他者と比べ、「敗北感」を覚えることだ。

人は相手との比較で劣ったと感じた瞬間、自らの価値が低下したように錯覚する。

その「自己価値の低下感」は自己嫌悪を生み、心理的防衛機制を発動させる。

その反応の一つとして現れるのが「批判」という行動である。

このような場合の批判は建設的な性質を持たず、自己防衛のための批判に終始しやすい。

一方で、建設的批判を行うには以下の点が重要である。

☆意見者の人格を攻撃しないこと
☆なぜ批判するのかを明確にすること
☆主張を具体的に説明し、感情論に偏らないこと
☆相手を対等な立場で尊重すること

SNSやブログ、ネットサーフィンが日常に溶け込む現代社会では、あらゆる場面で「意見」と「批判」が飛び交う。

だからこそ、批判には種類があることを見極め、その背景や意図を読み解く「批判リテラシー」を高めることが、今の時代を生きる上で不可欠である。

筆者
高木綾一

理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)
三学会合同呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
国家資格キャリアコンサルタント
株式会社Work Shift代表取締役
関西医療大学 保健医療学部 客員准教授

医療・介護分野の経営戦略や人材育成に精通し、年間100回以上の講演を実施。
医療機関や介護事業所の経営支援を通じて、組織の成長と発展をサポートする。
著書には 「リハビリ職種のキャリア・デザイン」 や 「リハビリ職種のマネジメント」 があり、リハビリ職種のキャリア形成やマネジメントの実践的な知識を提供している。
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