タイムマネジメントとは、自分らしく生きるための必須の技術である。
日本語に訳せば時間管理であるが、時間そのものは誰にとっても一日24時間しか与えられていない。
物理的に時間を増減させることは不可能である。
したがって、管理すべき対象は「時間」ではなく「自分の行動」である。
タイムマネジメントとは「自らの行動を管理し、人生や仕事の目標を達成するための一連のマネジメント」である。
すなわち、自身の行動と人生や仕事の目標との整合性を確保することが本質である。
逆に言えば、人生や仕事に目標を持たない者にはタイムマネジメントを行う動機が生じにくい。
結果として、時間を管理できない人間は他人や環境に人生を支配されることになる。
かつての高度経済成長期には、社会が用意した「標準的な人生モデル」が存在し、それに従えば一定の成果や安定が得られた。
しかし、人口減少と社会の成熟化によって、従来の生き方・働き方のモデルは完全に崩壊した。
現代は正解のない社会であり、個人が自ら目標を設計し、日々の行動を能動的に選択しなければならない。
また、近年ではタイムマネジメントは単なる効率化の技術にとどまらず、幸福感や生きがいとも深く関係していることが指摘されている。

時間の使い方を主体的にコントロールできる人は、そうでない人に比べて成果だけでなく人生の満足度も高い傾向があるとされる。
さらに、デジタル社会ではSNSやメール通知などが「注意」を奪い、慢性的な時間不足感を生みやすいことも知られている。
そのため、現代におけるタイムマネジメントは「時間を守る」こと以上に「注意を守る」ことが重要である。
あなたの周囲にも、次のような発言を繰り返す人はいないだろうか。
上司が悪い
部下が悪い
景気が悪い
会社が悪い
時代が悪い
家族が悪い
このように環境に責任を転嫁する人は「環境の奴隷」と言える。
周囲のせいにすることは、「私の人生は私以外の誰かに支配されています」と宣言しているに等しい。
人生や仕事を自分でコントロールするには、環境に流されるのではなく「環境に逆らう姿勢」が必要である。
多くの人はこの事実を認識していない。
だからこそ、今からでも「何のために時間を使うのか」を主体的に選択することが求められる。
人は「今」しか生きることができない。
したがって、「今」をいかに使うかが、未来の人生の質を決定づけるのである。
筆者
高木綾一

理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)
三学会合同呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
国家資格キャリアコンサルタント
株式会社Work Shift代表取締役
関西医療大学 保健医療学部 客員准教授
医療・介護分野の経営戦略や人材育成に精通し、年間100回以上の講演を実施。
医療機関や介護事業所の経営支援を通じて、組織の成長と発展をサポートする。
著書には 「リハビリ職種のキャリア・デザイン」 や 「リハビリ職種のマネジメント」 があり、リハビリ職種のキャリア形成やマネジメントの実践的な知識を提供している。
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