資源を資産化する時代 ― 医療・介護従事者が生き残るための戦略

自分や組織が持つ経営資源を最大限に活用し、市場から金銭的対価や社会的評価といった資産を獲得することを、どれほどの医療・介護従事者が意識しているだろうか。

経営資源の代表例として、ヒト・モノ・カネ・情報・技術・時間・知恵・顧客などが挙げられる。

医療・介護従事者に置き換えれば、経験、知識、技術、人脈、行動力、資金、知恵、勇気、そしてコミュニケーション能力といった資源が存在する。

しかし、これらは「ただ持っているだけ」では意味がない。

資源を適切に組み合わせ、サービスや商品を創出し、市場に投入して初めて資産へと転換される可能性が生まれるのである。

現実には、多くの医療・介護従事者が自らの資源の棚卸しすら行っていない。

仮に棚卸しをしても、実際にサービスや商品を創り出す行動まで至らない者が大多数である。

その一方で、自らの資源を正しく認識し、市場へと積極的にアプローチする少数派は、圧倒的に優位な立場を築いている。

本ブログでも繰り返し述べているように、日本社会は急速に変化している。

企業が個人を守る時代は終わり、個人が自らの力で社会を生き抜かなければ生活水準を維持・向上できない時代に突入した。

特に医師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、薬剤師、介護福祉士といった専門職は、医療保険・介護保険という規制市場に依存している。

この市場は政府の総量規制下にあり、従来通りの働き方では収入が上がりにくいことは明白である。

したがって、評価されるのは「組織や社会の課題を解決できる人材」である。

自らの資源を資産化するためには、所属する組織やコミュニティーの課題を正しく認識し、その解決に資源を活用することが求められる。

そして、利害関係者(ステークホルダー)の支持やシェアを獲得することこそが、真の競争優位につながるのである。

あなたは、自身の資源を正しく理解しているだろうか。


あなたは、それを商品やサービスへと転換しているだろうか。


そして、あなたは所属する組織やコミュニティーの課題を把握しているだろうか。

筆者
高木綾一

理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)
三学会合同呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
国家資格キャリアコンサルタント
株式会社Work Shift代表取締役
関西医療大学 保健医療学部 客員准教授

医療・介護分野の経営戦略や人材育成に精通し、年間100回以上の講演を実施。
医療機関や介護事業所の経営支援を通じて、組織の成長と発展をサポートする。
著書には 「リハビリ職種のキャリア・デザイン」 や 「リハビリ職種のマネジメント」 があり、リハビリ職種のキャリア形成やマネジメントの実践的な知識を提供している。
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