組織内活動よりも、組織外活動に全力投球しているセラピスト。
皆さんの職場にも、このようなセラピストはいないだろうか?
臨床、管理業務、多職種連携、委員会活動、院内教育、雑務よりも……学会発表、組織外コミュニティー活動、地域における○○会議、外部セミナー講師、大学院での学業を優先するセラピストが増えている。
背景には、キャリア形成の多様化や外部ネットワークの価値が高まったこともあるだろう。
彼らが組織外活動に一生懸命になること自体は、悪いことではない。
組織外活動は社会貢献やキャリアデザインにも繋がり、視野を広げ、専門性を磨く機会にもなる。外で得た知見や人脈が、結果的に職場の質を上げることもある。
しかし、給料が発生している組織への貢献なくして、組織外活動は成立しない。
組織内活動より組織外活動を優先しながらも、組織から給与をもらっている人は、所謂、「フリーライダー(ただ乗り)」である。本人に悪気がなくても、周囲からそう見えた時点で、信頼は揺らぐ。
フリーライダーのたちが悪いのは、真面目に組織のために頑張っているセラピストのモチベーションまで、じわじわと下げてしまうことである。
組織外活動に偏ったセラピストが評価される職場では、組織内行動を頑張っているセラピストの不平等感が高まり、現場の協力関係も崩れやすい。
結果として、チームの生産性や教育体制、患者・利用者への価値提供にも影響が及ぶ。
従って、組織外活動を一生懸命に取り組んでいるセラピストは今一度、組織内活動の棚卸をして欲しい。
日々の臨床、周囲のフォロー、院内教育、仕組みづくりなど、見えにくい貢献を自ら積み上げた上で、外での挑戦を語るべきである。
組織外活動を職場のセラピストに認めてもらうためには、職場への貢献が大前提である。
外で得た成果を職場に還元し、周囲に価値として返してこそ、組織外活動は「個人の活動」から「組織の資産」へと変わる。
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筆者
高木綾一

理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)
三学会合同呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
国家資格キャリアコンサルタント
株式会社Work Shift代表取締役
関西医療大学 保健医療学部 客員准教授
医療・介護分野の経営戦略や人材育成に精通し、年間100回以上の講演を実施。
医療機関や介護事業所の経営支援を通じて、組織の成長と発展をサポートする。
著書には 「リハビリ職種のキャリア・デザイン」 や 「リハビリ職種のマネジメント」 があり、リハビリ職種のキャリア形成やマネジメントの実践的な知識を提供している。
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