2026年度改定のリハビリ分野では、点数そのものよりも、算定できる対象や回数の考え方が整理され、現場運用が問われる内容になった。
ここでは、退院時リハビリテーション指導料、医療機関外での疾患別リハ上限、リンパ浮腫複合的治療料の3点を具体に整理する。
1 退院時リハビリテーション指導料は対象患者が明確化された
改定案では、退院時リハビリテーション指導料を算定できる患者が、入院中に一定のリハ関連評価を算定していることを前提に整理された。
具体的には、入院中にリハ栄養口腔連携体制加算、早期離床リハビリテーション加算群、リハ栄養口腔連携加算、または第7部リハビリテーション各区分(疾患別リハビリテーション)などを算定した患者に限る形で、指導料と対象加算の関係が明確化されている。
退院指導の価値そのものは高いが、今後は誰にでも一律実施ではなく、算定可能性のある患者群を早期に抽出し、退院前から家族指導や自主訓練メニューを計画的に組む運用が必要である。
なお、同一日に退院時共同指導料2との同時算定不可ある。
2 医療機関外での疾患別リハは、一連の入院での例外枠が追加された
医療機関外で実施する疾患別リハは、原則として1日3単位まで疾患別リハとみなせる。
ここに改定案では、1日3単位を超えて医療機関外で実施する必要がある場合でも、一連の入院において合計3単位、厚労大臣が定める患者では合計6単位に限り、別に疾患別リハとみなせる枠が追加された。
厚労大臣が定める患者(筆者予想)※詳細は今後の答申で確認してください。
疾患別リハを算定している入院患者のうち、訓練室の中だけではなく、病棟等(屋外を含む)で「早期歩行自立」「実用的な日常生活活動の自立」を目的として、実用歩行訓練・日常生活活動訓練が行われた患者でかつ職場復帰、学業復帰等生活再建のために歩行による移動が必要となる患者。
この改定は生活機能に直結する環境での訓練を必要最小限で正当に評価する狙いである。
対象患者の選定基準、院外訓練の必要性の根拠、前後の移動時間は訓練時間に含めないなどの記録ルールを院内で統一し、監査耐性を高めるべきである。
リンパ浮腫複合的治療料は重症の時間区分が新設され、点数体系が組み替えられた
リンパ浮腫複合的治療料は、より実態に即した評価の観点から点数を見直すとされ、重症の場合が60分以上、40分以上60分未満と時間で区分される体系に変更されている。
現行は重症200点、重症以外100点の単純構造であったが、改定案は重症の中でも施術時間に応じた評価に寄せている。
なお、本改定案では重症の評価を施術時間で区分する方向性が示されたものの、現時点では新点数(60分以上、40分以上60分未満、重症以外の各点数)は確定・公表されていない。
時間区分が入るほど、予約枠設計、スタッフ配置、記録テンプレの整備が収益と監査リスクを左右するため、部門横断で運用を固めることが重要である。
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筆者
高木綾一

理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)
三学会合同呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
国家資格キャリアコンサルタント
株式会社Work Shift代表取締役
関西医療大学 保健医療学部 客員准教授
医療・介護分野の経営戦略や人材育成に精通し、年間100回以上の講演を実施。
医療機関や介護事業所の経営支援を通じて、組織の成長と発展をサポートする。
著書には 「リハビリ職種のキャリア・デザイン」 や 「リハビリ職種のマネジメント」 があり、リハビリ職種のキャリア形成やマネジメントの実践的な知識を提供している。
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