筋力トレーニング(以下、筋トレ)を行う際には、目的に応じた負荷量の設定が重要である。
筋トレの目的を大きく分けると、①筋肥大と②筋力向上との2つに大別することができる。

本稿では、筋肥大における負荷量の設定について解説させていただく。
しかし本題に入る前に、RM(Repetition Maximum)について理解しておく必要がある。
RMとは最大反復回数のことであり、ある決まった重量に対して何回反復してその運動を行うことができるかによって運動強度(重量)を決める方法のことである。
1RMは全力で1回だけ実行できる重量であり、最大筋力と言い換えることもできる。
3RMであれば3回反復できる重量、10RMであれば10回反復できる重量である。
また、1RMの80%とあれば最大筋力の80%(1RMの80%以上は高強度)、1RMの60~79%は最大筋力の60~79%(中強度)、1RMの60%は最大筋力の60%(1RMの60%未満は低強度)となる。
従来、筋肥大を目的とした筋トレの場合、高強度でのトレーニングが推奨されていた。
筆者も学生時代には、筋肥大の効果は1RMの70~80%の強度で8~12回程度、休憩時間は1分30秒~2分、3~5セットと教えられた記憶がある。
しかしこの方法では、高齢者や初心者、未経験者などには負担が大きく、特に臨床では使用しにくい印象があった。
ところが近年では、低強度でのトレーニングでも『総負荷量』という概念を満たせば、筋肥大の効果があることが報告されている。
総負荷量とは、『強度×回数×セット数』によって求められ、その合計が同じであれば、低強度でも高強度でも筋肥大の効果は同等ということになる。
したがって、低強度のトレーニングでも回数とセット数を増やし、高強度のトレーニングと同等の総負荷量に設定すれば、両者は同様の筋肥大の効果が得られる。
例えば、総負荷量=100kg×2回×2セット=400kg
総負荷量=50kg×4回×2セット=400kg
これらは総負荷量がともに400kgになるため、筋肥大の効果としても同じということなる。
繰り返しにはなるが、筋肥大で重要なのは、『強度』だけでなく回数およびセット数の積から求められる『総負荷量』である。
臨床やトレーニング指導において、ぜひ総負荷量を考慮しながら、リハビリおよび指導をしていただけると幸いである。

理学療法士
循環認定理学療法士
心臓リハビリテーション指導士
3学会合同呼吸療法認定士
サルコペニア・フレイル指導士
国家資格キャリアコンサルタント
心電図検定1級
植込み型心臓不整脈デバイス認定士
協会指定管理者(上級)
フレイル対策推進マネジャー
地域ケア会議推進リーダー
介護予防推進リーダー
mysole協会ベーシックマイスター
循環器疾患(心臓リハビリ)や代謝疾患(糖尿病)、透析リハビリ、サルコペニア・フレイルを中心に臨床を行っている。
また、心肺運動負荷試験(CPX)も相当数経験をしており、呼気ガス分析に基づく安全かつ効果のある運動処方を展開するよう常に心がけている。
定期的にセミナー講師も務め、上記の疾患およびそのフィジカルアセスメント、心電図の判読などの情報提供も行っている。

