回復期リハビリ病棟の新加算
回復期リハビリ病棟の今回の改定で注目すべきは、回復期リハビリテーション強化体制加算の新設である。
これは回復期リハビリテーション病棟入院料1を算定する病棟が、所定の施設基準を満たして届出した場合に、患者1人1日あたり上乗せする枠組みである。
要件の方向性として、実績指数、排尿自立支援加算の届出、退院前訪問指導の実施割合等を組み込む方針が示されている。
短冊では点数や一部要件が伏せられているため最終確定は告示・通知の確認が必要だが、狙いは明確である。
すなわち、在院中の改善だけでなく、退院後の生活につながる仕組みを持つ病棟を評価する設計である。
この加算は単位数を増やすという発想からの脱却である。
勝負どころは退院支援の運用設計である。
優先順位は、実績指数を上げるための評価と記録の精度、退院前訪問指導の設計(誰が、いつ、何を見て、どこへつなぐか)、排尿自立支援の標準化(スクリーニングと介入のルール化)の順である。
リハビリ計画書の様式変更
今回の方向性は書類の簡素化であり、複数の計画書様式を統一し、それに合わせてリハビリテーション総合計画評価料の評価体系を見直す流れが示されている。
点数は初回・2回目以降などで組み替えられる可能性があり、疾患別リハの目標設定等支援・管理料等の統合も同時に進む。
つまり、書類の数を減らして現場の負担を下げつつ、内容の質で差がつく改定である。
様式統一を単に楽になる話で終わらせてはいけない。
様式が一本化されるほど、短い文量でもゴール、リスク、介入の柱、退院後・生活期までの見通しが一貫して伝わることが大切である。
対策はテンプレ化である。
おすすめは、計画書を次の3点セットで書けるように院内ルール化することだ。
問題リスト(医学的・生活機能・環境)
介入の柱(運動療法・ADL・環境調整)
つなぎ(退院後支援、外来・訪問・通所、家族指導)
これを誰が書いても同じ品質になるように、言い回し、尺度、頻度、評価タイミングまで含めて標準化する。
ここまで整えると、監査・返戻リスクが下がるだけでなく、多職種連携も速くなる。様式変更は、
実は現場にとって記録の改革とチーム運用の改革を同時に進めるチャンスである。
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筆者
高木綾一

理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)
三学会合同呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
国家資格キャリアコンサルタント
株式会社Work Shift代表取締役
関西医療大学 保健医療学部 客員准教授
医療・介護分野の経営戦略や人材育成に精通し、年間100回以上の講演を実施。
医療機関や介護事業所の経営支援を通じて、組織の成長と発展をサポートする。
著書には 「リハビリ職種のキャリア・デザイン」 や 「リハビリ職種のマネジメント」 があり、リハビリ職種のキャリア形成やマネジメントの実践的な知識を提供している。
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