当然、通常リハビリテーションにおける品質とは、機能回復や生活の再獲得、在宅復帰など回復や体の状態がよりよくなること、これによる生活の質への影響とされているかと思います。
介護施設におけるセラピストがかかわるうえでの「品質」もこういった部分は前提として求められると考えてよいと思いますが、これだけでは、対応できない状態像の利用者様がおられることも経験します。
特に「介護施設」は、中間施設ではなく、終の棲家としての機能も求められている施設になることから、終末期、あるいはそうでなくても、「回復」をゴールとすることが難しい方が多くいらっしゃいます。
さらに、リハビリテーションのかかわりそのものに、物理的な区切りが存在しないため、「回復」をゴールとできても、常にそれを継続することは困難です。
例:退所や自宅復帰の期限が存在しないため、お住まいになられる限りかかわりが続いていく。しかし、加齢に伴いお体の状態は緩やかにせよ急激にせよ低下していくため、常に回復をゴールとすることは難しくなる。
では、こう言った利用者様に対するリハビリテーションの「品質」とは何なのでしょうか。
それは、やはり「どのような生活を送りたいかの実現」であると考えます。
その時の状態に応じた望む生活を実現するためのかかわり、そのための手段としてできるADLをしているADLにすることなどが求められているといえます。
また、もう一つ重要な視点として、ここには、経営的な目線も必要とされるということです(図1)。
ここにかける時間や、人員は当然無限ではなく、さらに介護報酬として支払われる額はごくわずかであることから、品質を上げることが、同時に施設の収入を増やす、あるいは支出を減らすことにつながらなければ、セラピストの配置を継続することが難しくなります。
図1 利用者の生活支援と経営資源のバランス
このあたりは、今回定義している介護施設でのセラピストの役割の大きな特徴かもしれません。
もし現在施設にお勤めでお悩みの状況があればぜひ一度、現在のかかわりが品質と経営の何につながっているのか見直してみていただければ解決のヒントになるかもしれません。
介護保険におけるリハビリの考え方を学びたい方はこちらから →セミナー一覧

理学療法士
福祉用具プランナー
シーティングコンサルタント
勤務先
◯SOMPOケア株式会社
◯大阪府立大学 非常勤講師
福祉用具論の一部を担当

