フレイル予防の鍵は社会参加にある

臨床場面で、フレイルによる機能低下が生じた高齢者を担当することがあるかと思います。

しかし、そうしたケースにおいても私たち療法士は「運動機能」や「動作能力」に終始目を向けがちかもしれません。

もちろんそれらは大切な要素ですが、それだけの介入では対処療法的なアプローチとなってしまうかもしれません。

フレイルの発生には、一定の順番があると言われています。

  • 社会とのつながりの減少(社会参加の機会や他者との交流の低下)
  • 生活範囲の狭小化(外出や地域活動が減り、家の中に閉じこもりがちになる)
  • 心理面の問題:うつ傾向(意欲の低下や孤独感を深める)
  • 口腔機能の低下(咀嚼・嚥下機能の低下により、食べるものが偏る・誤嚥性肺炎を起こしやすくなる)
  • 栄養状態の悪化(疲れやすさ、筋肉のつきにくさ等)
  • 運動機能の低下(筋力や持久力の低下)

上記のような過程を考えると、強引に運動機能だけを改善しても、根本の原因を解決しなければ再発は避けられません。

たとえば週3~4回の運動で筋力が一時的に向上しても、社会的な孤立や日常生活の不活発さが続けば、再び衰えてしまう可能性は高いままです。

では、何を目指すべきでしょうか?

重要なのは「社会参加や他者交流の機会を再び獲得すること」です。

本人がもともと行っていた活動や地域での役割、友人との交流といった機会を取り戻すことこそ、生活を本当の意味で活発にする一歩です。

運動や栄養の改善は、そのための手段であり土台に過ぎません。

たとえば
近所の将棋仲間との集まりに、再び参加できるよう支援する
趣味であった園芸や料理を、本人のペースで再開できるよう環境を整える
地域サロンやボランティア活動につながるきっかけを提供する
こうした取り組みが、本人の生活に「役割」「楽しみ」「つながり」を取り戻すことにつながります(図1)。

図1 「役割」「楽しみ」「つながり」がフレイル予防になる

上記のような社会参加を支える介入は、一見すると間接的に思えるかもしれません。

しかし、こうした生活状況の改善はフレイルの根本を断つためのアプローチであり、再発予防や生活の質の向上に関わる重要な支援であると考えます。

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投稿者
浅田 健吾先生
株式会社colors of life 訪問看護ステーション彩


平成21年に関西医療技術専門学校を卒業し、作業療法士の免許取得する。
回復期・維持期の病院勤務を経て、令和元年より株式会社colors of life 訪問看護ステーション彩での勤務を開始する。
在宅におけるリハビリテーション業務に従事しながら、学会発表や同職種連携についての研究等も積極的に行っている。
大阪府作業療法士会では、地域局 中河内ブロック長や地域包括ケア委員を担当しており、東大阪市PT.OT.ST連絡協議会の理事も務めている。
平成30年からは、大阪府某市における自立支援型地域ケア会議に助言者として参加している。

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