夏は暑さや湿度の影響で、どうしても外出の機会が減少しがちです。
特に高齢者の方にとっては、熱中症のリスクを考えると屋外での運動が難しい季節でもあります。
しかし、「動かないこと」そのものがフレイルや転倒リスクの引き金になることも少なくありません。
今回は、夏場でも無理なく取り入れられる“自宅でできる活動”をご紹介します。
■ 家事は「日常運動」そのもの
掃除や料理、洗濯など、普段の家事は、とても良い運動になります(図1)。
掃除機がけ)約3.3 METs
料理や後片付け)約2.5 METs
洗濯干し)約2.8 METs
(※METs=運動の強さを表す単位)。
これらは、一般的な屋外ウォーキング(約3.0 METs)と同等、またはそれ以上の活動強度となります。
掃除機を30分かけると、体重60kgの方なら約100kcalを消費。これは30分の散歩とほぼ同等です。
毎日の「家の用事」には、これだけの運動効果があるのです。
図1 家事は運動になる!
■ 趣味活動でもしっかり動ける
夏は、外での散歩や運動が難しくても、屋内の趣味を活用すれば、しっかり活動量を確保できます。
ガーデニング)約4.0 METs ※屋内外問わず
手芸や書道)1.5 METs程度
座っていても「手を動かす」「頭を使う」「工夫する」といった要素は、心身の活性化につながります。
活動の記録を手帳やカレンダーに残すと、意欲の維持・向上も期待できます。
■ おすすめの工夫
・生活リズムに活動を組み込む
→ 朝の拭き掃除、昼前の料理、夕方に洗濯物たたみなど、1日3回ほど動く時間を意識してつくるだけでも、合計30~40分ほどの中強度活動が可能になります。
・テレビ体操の活用
→ テレビ放送されている体操やYouTube体操などは、座ったままでも可能なメニューも多く提案されており、1回で15~25kcalの消費が見込めます。
・ついで歩き
→ 洗濯物を1枚ずつ運ぶ、2階にあるものを取りに行くついでに2往復する、などの工夫だけで、500〜1000歩増えるというデータもあります。
「外に出られない=動けない」ではなく、「家の中でも動ける工夫を見つける」ことが大切です。
ご本人の得意なこと・楽しめることをベースにして、時期ごとの生活方法をご提案なさってみてください。
参考文献
独立行政法人 東京都健康長寿医療センター「高齢期の健康づくりと身体活動」
介護保険におけるリハビリの考え方を深めたい方はこちらから → 記事を読む
投稿者
浅田 健吾先生
株式会社colors of life 訪問看護ステーション彩

平成21年に関西医療技術専門学校を卒業し、作業療法士の免許取得する。
回復期・維持期の病院勤務を経て、令和元年より株式会社colors of life 訪問看護ステーション彩での勤務を開始する。
在宅におけるリハビリテーション業務に従事しながら、学会発表や同職種連携についての研究等も積極的に行っている。
大阪府作業療法士会では、地域局 中河内ブロック長や地域包括ケア委員を担当しており、東大阪市PT.OT.ST連絡協議会の理事も務めている。
平成30年からは、大阪府某市における自立支援型地域ケア会議に助言者として参加している。
