リハビリ職種が知っておくべき在宅医療の基礎知識と業務上の注意

在宅医療とは、通院が困難な状態にある患者が、入院することなく自宅で医師の診察・指導・管理を受けながら療養する仕組みである。

医師や看護師が患者宅へ訪問し、必要な医療や介護を提供するほか、患者・家族への指導に要した費用も算定対象となる。

リハビリ職種が在宅分野で役割を果たすには、この制度的背景と算定要件を正しく理解することが必須である。

在宅医療の対象は「自立した通院ができない者」であり、寝たきり、歩行困難、認知症により一人での通院が困難なケースが中心となる。

医療機関から患者宅までの距離は原則16km以内と定められ、この範囲を超える場合は医学的必要性が求められる。

単なる病家の希望では認められないため、リハビリ職種も訪問の妥当性を主治医と共有する姿勢が求められる。

リハビリ職種の業務上の注意

第一に、在宅医療は「医師の管理下」で提供される点を理解すべきである。

訪問リハの内容・頻度・目標は主治医の指示書に基づいて実施され、独自判断で計画を変更することはできない。

また、在宅では生活環境がそのまま訓練の場となるため、家屋評価・福祉用具の適合・家族指導など、病院では得られない視点が重要である。

第二に、情報共有の質がアウトカムを左右する。

在宅医療はチーム医療であり、医師・看護師・ケアマネジャー・ヘルパーと連携しなければ個別性の高い支援は成立しない。

特に悪化兆候の早期発見、介護負担の増大、生活リスクは、リハ職が最も気づきやすい領域である。

最後に、訪問距離や訪問必要性に関する制度要件を理解しておくことは、事業所の算定・運営に直結する。

制度理解はリハ職のプロフェッショナル性の一部であり、利用者の安全と在宅医療の持続性に寄与する視点が重要である。

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筆者
高木綾一

理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)
三学会合同呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
国家資格キャリアコンサルタント
株式会社Work Shift代表取締役
関西医療大学 保健医療学部 客員准教授

医療・介護分野の経営戦略や人材育成に精通し、年間100回以上の講演を実施。
医療機関や介護事業所の経営支援を通じて、組織の成長と発展をサポートする。
著書には 「リハビリ職種のキャリア・デザイン」「リハビリ職種のマネジメント」 があり、リハビリ職種のキャリア形成やマネジメントの実践的な知識を提供している。
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