山梨県老人保健施設協議会リハビリ部会で講演しました ─ 老健リハが果たすべき役割とは

2025年11月4日、山梨県老人保健施設協議会リハビリ部会にて、「介護老人保健施設のリハビリテーション部門がすべきこと」というテーマで講演を行いました。

介護老人保健施設(老健)は、地域包括ケアシステムの中で極めて重要な役割を担っています。

多くの方が「在宅復帰支援のための施設」というイメージを持っていますが、老健の真の価値はそれだけではありません。

医療と介護の中間に位置する老健だからこそ、入所リハビリ・通所リハビリ・ショートステイというハイブリッドな関わりを通じて、利用者の生活再建を多面的に支援することができます。

講演の中では、まず「回復期リハビリテーション病棟」や「地域包括ケア病棟」との差別化についてお話ししました。

回復期病棟が主に医療的な機能回復を目的としているのに対し、老健では生活の中で機能を活かすリハビリを実践できます。

また、地域包括ケア病棟が在宅復帰支援の一過程を担うのに対し、老健は在宅復帰支援から在宅生活の維持・再入所までを一貫してサポートできる体制を持っています。

この「入所・通所・短期利用を自在に組み合わせられる柔軟性」こそが、老健リハビリの大きな強みです。

さらに、老健のリハビリ部門は「在宅復帰支援」だけでなく、「入居者獲得の入口戦略」を意識する必要があります。

地域の中で「リハビリに強い老健」「生活を支える老健」としてブランドを確立することが、紹介や利用選択につながり、結果として経営の安定化にも寄与します。

最後に、老健は地域とのつながりを深め、地域リハビリテーションのハブとしての機能を果たすことが重要です。

病院、訪問リハ、通所系サービスなどと連携しながら、地域のリハビリテーション資源を統合的に支える存在となることが求められています。

老健がその多機能性を活かし、医療と介護をつなぐ中心として存在感を高めていくことが、これからの時代における使命だと感じています。

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筆者
高木綾一

理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)
三学会合同呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
国家資格キャリアコンサルタント
株式会社Work Shift代表取締役
関西医療大学 保健医療学部 客員准教授

医療・介護分野の経営戦略や人材育成に精通し、年間100回以上の講演を実施。
医療機関や介護事業所の経営支援を通じて、組織の成長と発展をサポートする。
著書には 「リハビリ職種のキャリア・デザイン」「リハビリ職種のマネジメント」 があり、リハビリ職種のキャリア形成やマネジメントの実践的な知識を提供している。
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