リハビリ職種のキャリアデザインにおいて、判断だけでなく決断とそれを支える覚悟が不可欠である

リハビリ職種としてキャリアを積み重ねていく中で、多くの人が悩むのは「どの道を選ぶか」という判断である。

臨床に専念するのか、教育や研究に進むのか、あるいは管理職や経営の道に進むのか。

選択肢は多岐にわたるが、最終的に必要なのは「決断」である。

判断と決断は似て非なるものである。

判断とは情報を整理し、比較し、選択肢を見極めるプロセスである。

一方、決断とはその中から一つを選び取り、前に進む行動を伴う意思表示である。

多くのリハビリ職種がキャリアの中で停滞するのは、判断まではしても決断に至らないからである。

決断できない背景には「覚悟」の欠如がある。どの選択をしてもリスクは存在する。

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士として、患者や利用者に関わる責任は重く、キャリアの方向性を決めることは大きな負担となる。

しかし、覚悟が形成されていなければ、いつまでも「安全な場所」に留まり、現状維持に甘んじることになる。

覚悟とは、自ら選んだ道の結果を引き受ける心構えである。

たとえ失敗や後悔があったとしても、それを糧に前進していく強さを持つことである。

キャリアを築く上で本当に必要なのは、完璧な選択肢を探すことではなく、自分で選んだ道を正解に変える力なのである。

リハビリ職種のキャリアデザインは、判断を超えて決断に至ること、そしてその決断を支える覚悟を育むことによって初めて動き出す。

未来は選んだ瞬間から形作られていく。

重要なのは「選ぶこと」そのものなのである。

筆者
高木綾一

理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)
三学会合同呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
国家資格キャリアコンサルタント
株式会社Work Shift代表取締役
関西医療大学 保健医療学部 客員准教授

医療・介護分野の経営戦略や人材育成に精通し、年間100回以上の講演を実施。
医療機関や介護事業所の経営支援を通じて、組織の成長と発展をサポートする。
著書には 「リハビリ職種のキャリア・デザイン」「リハビリ職種のマネジメント」 があり、リハビリ職種のキャリア形成やマネジメントの実践的な知識を提供している。
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