アミノ酸スコアについて

高齢者は若年者よりも多くのタンパク質を摂取すると、『骨格筋量の減少を抑制することができる』、『筋トレと同時にタンパク質を摂取すると骨格筋量および筋力向上に有効である』、といったタンパク質の摂取量が高齢者の骨格筋量や筋力に影響することは一般的になりつつあるように思う。

しかし、ここで述べられているのはタンパク質の「量」であり、「質」については問われていない。

では、「質」についてはどのように考え、摂取すればよいのであろう。

そこで重要になってくるのが、食品のタンパク質に含まれる必須アミノ酸のバランスとタンパク質の体内利用能である。

タンパク質を構成するアミノ酸は20種類からなるが、そのうち体内で合成することができない9種類のアミノ酸のことを必須アミノ酸という。

その他11種類のアミノ酸は、体内で合成することが可能であり非必須アミノ酸という。

そのため、必須アミノ酸は食品からしか摂取することができないアミノ酸と言い換えることもできる。

良質なタンパク質とは、その必須アミノ酸をすべてバランス良く含むものである。

筋タンパク質は必須アミノ酸でしか合成されず、9種類のどれが欠けていても良くないのである。

逆にいうと、一部の必須アミノ酸が豊富に含まれていても、全体的に基準を満たしていなければ体内利用能が低くなる(後述、必須アミノ酸の桶の理論)。

必須アミノ酸の含有量バランスを示す指標がアミノ酸スコアである(表)。

アミノ酸スコアは上限を100としており、この数値が100に近いほど体内でのタンパク質の利用効率が高くなる。

例えば卵はアミノ酸スコア100なので、卵(Mサイズ)1個を摂取すると、約6gのタンパク質が含まれているため、6g×1=6gとなり100%(6g)がそのまま体内利用することができる。

一方で、精白米の場合はアミノ酸スコア61なので、同じ6gのタンパク質を含んでいても6g×0.61=3.66gしか体内利用することができない。

表 食品のアミノ酸スコア

また、必須アミノ酸は「桶の理論」で例えられることが多い(図)。

9種類の必須アミノ酸がそれぞれ一枚の板状にイメージされ、それが桶を形成し最も少ないアミノ酸の量に合わせて、体内で利用されるタンパク質の量が決まる。

そのため、どれか一つでも不足していると、他のアミノ酸も十分に活用されないのである。

図 必須アミノ酸の桶

タンパク質を効率良く摂取し体内で利用するためには、まずタンパク質が多い食品を選ぶ(量)、そしてアミノ酸スコアが高い食品を選ぶ(質)ことが重要である。

投稿者
井上拓也

理学療法士
循環認定理学療法士
心臓リハビリテーション指導士
3学会合同呼吸療法認定士
サルコペニア・フレイル指導士
国家資格キャリアコンサルタント
心電図検定1級
植込み型心臓不整脈デバイス認定士
協会指定管理者(上級)
フレイル対策推進マネジャー
地域ケア会議推進リーダー
介護予防推進リーダー
mysole協会ベーシックマイスター

循環器疾患(心臓リハビリ)や代謝疾患(糖尿病)、透析リハビリ、サルコペニア・フレイルを中心に臨床を行っている。

また、心肺運動負荷試験(CPX)も相当数経験をしており、呼気ガス分析に基づく安全かつ効果のある運動処方を展開するよう常に心がけている。

定期的にセミナー講師も務め、上記の疾患およびそのフィジカルアセスメント、心電図の判読などの情報提供も行っている。

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