急性期と包括期で急性期患者を分担する時代へ:リハビリ現場の変化と対応

厚生労働省は2026年1月16日、地域医療構想及び医療計画等に関する検討会を開催し、2040年に必要とされる病床数の算出方法を示した。

必要病床数は、患者の医療資源投入量の多寡により、高度急性期・急性期・回復期・慢性期機能に分け、入院受療率×性・年齢別階級別人口/病床稼働率で算出するとされた。

稼働率は実態が低下傾向でも、再編・統合で上昇し得るとして、現行と同基準の数値(高度急性期75%、急性期78%、包括期90%、慢性期92%)を用いる方針である。

加えて、2025年度補正予算で行う病床数適正化事業による減少見込み分を反映し、将来病床数を可能な限り減らして削減を促す構えだ。

さらに高齢者救急では、これまで急性期に区分してきた75歳以上の患者を、急性期と包括期の需要として各5割で見込むという。

すなわち、地域包括医療病棟と地域包括ケア病棟で軽度急性期を引き受けるというメッセージである。

よって、リハビリ業務への影響は小さくない。

高齢者救急は入院直後から廃用とせん妄が進みやすく、早期離床と栄養・口腔、看護との協働が前提となる。

急性期と包括期にまたがる運用は、在院日数の短縮と転棟・転院の増加を意味し、評価の前倒し、ADL目標の即時設定、退院支援の標準化が必須となる。

カンファレンスも週1回では遅く、入院48時間以内のスクリーニング、起立・歩行開始基準、せん妄予防の環境調整、家族指導までが在院日数短縮や早期在宅復帰には必要である。

回復期や在宅側も、急性増悪後の再適応を短期間で支える体制づくりが求められる。

医療資源を多く投入する期間は圧縮され、生活期で支える比重が高まるからである。

訪問リハや通所リハ、介護サービスとの連携を前提に、病院側は情報提供と目標の共有を精緻にし、地域側は再入院予防のためのモニタリングと運動・栄養・口腔の一体運用を強化すべきである。

病床が減る時代ほど、リハビリは院内外をつなぐ中核機能となる。

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筆者

高木綾一

理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)
三学会合同呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
国家資格キャリアコンサルタント
株式会社Work Shift代表取締役
関西医療大学 保健医療学部 客員准教授

医療・介護分野の経営戦略や人材育成に精通し、年間100回以上の講演を実施。
医療機関や介護事業所の経営支援を通じて、組織の成長と発展をサポートする。
著書には 「リハビリ職種のキャリア・デザイン」 や 「リハビリ職種のマネジメント」 があり、リハビリ職種のキャリア形成やマネジメントの実践的な知識を提供している。
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