早期リハビリテーションの最大の変更点は、起算の考え方が整理され、入院日から14日目までの評価枠の中でメリハリが付いたことである。
改定案では、入院日から3日目以内を増点し、4日目以降は減点する構造となる。
これにより、開始が遅れたケースを広く加点するのではなく、最初の数日で回復の軌道を作る病棟運用が評価される。

さらに、転院患者については、例示として転院前の入院日を起算にする扱いが示されており、転院後にゼロから早期加算を狙う運用は通りにくくなる。
加えて、休日リハビリテーション加算が新設され、土日祝の実施が後押しされる。
疾患別リハでは、休日に実施した単位に対して1単位あたり加算する枠組みが提示されている。
回復期側でも、施設基準を満たす場合に休日リハ提供体制加算として1人1日60点の加算が示されている。
つまり改定は、休日に単位を稼ぐことではなく、休日でも回る評価・離床・嚥下・栄養の立ち上げを標準化せよというメッセージである。
2026年度改定では、リハビリ・栄養・口腔管理を一体で回す病棟づくりを後押しするため、リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算に見直しが入る。
加算1は高水準の体制・実績を求める厳格版、加算2はより取得しやすい入門版(緩和要件)として新設され、急性期だけでなく地域包括ケア病棟にも波及させる狙いである。
見直し点として、BI測定研修は従来要件を踏まえつつ、FIM測定の内容を含むことが望ましいと明確化される。
加算2の施設基準は、病棟単位での届出を前提に、専従療法士2名以上(1名は専任でも可)、専任・常勤の管理栄養士1名(1名1病棟)、所定研修を修了した常勤医師の配置などを求める。
療法士は疾患別リハ料等の専従者との兼務を原則不可としつつ、回復期・地ケア管理料算定病室や排尿自立支援等は例外的に兼務可となる。
さらに、早期リハ割合などのプロセス・アウトカム評価、休日リハ提供量、ADL低下者割合といった実績基準、疾患別リハ料の取得、入退院支援加算1、口腔課題があれば院内歯科・外部受診へつなぐ体制、年1回以上のBI(+FIM)研修開催が求められる。
具体的な数値は今後答申で明らかになる。
運用の要は、指標の集計を現場に埋め込み、多職種カンファで即時に修正できる流れを作ることである。
加算2で土台を作り、加算1へ段階的に引き上げる発想が現実的である。
また、2024年度診療報改定と同様にこの加算の運用は短期集中型で、計画作成日から起算して14日を限度とする設計であり、計画策定が48時間を超える場合の起算の考え方も整理されている。
やむを得ない理由で入棟後48時間を超えて計画を策定した場合は、計画を作った日がいつであっても、起算日は入棟後3日目に固定される。
つまり、計画作成が遅れれば遅れるほど、算定できる日数は短くなる。
これは記録の遅れを許容する制度ではなく、入院初期から多職種で計画を立ち上げ、早期離床・経口摂取の流れを止めない病棟運用を求めるメッセージである。
さらに質担保として、BI測定に関する職員研修を年1回以上行うこと(FIM測定を含むことが望ましい)も要件に入っている。
加算2は上位設計で、専従の常勤リハ職を2名以上配置(うち1名は専任でも可)という具体的な人員上乗せが明記される。
さらに複数病棟で算定するなら病棟ごとに専従配置が必要となり、体制の薄い兼務運用は通りにくい。
最後に介護支援専門員との連携である。
2026年度改定案では、介護支援等連携指導料が1(従来型)と2(新設・強化型)に整理され、ケアマネ連携を入院前から強化する方向が明確になったのである。
1は、医師または指示を受けた看護師・社会福祉士等が、介護支援専門員等と共同して退院後に導入が望ましい介護サービス等を説明・指導する枠で、入院中2回までである。
2は、入退院支援・地域連携部門の担当者が、平時から連携体制を構築している介護支援専門員等と共同して実施する点が核で、入退院支援加算1の届出病棟の入院患者に限定される。
これは入院前からの支援を行い、早期に退院後の生活を見据えて介護支援専門員と連携することを促進するものであり、居宅介護支援事業所にとっても重要な改定と言えるだろう。
診療報酬・介護報酬に関して理解を深めたい方はこちらから →セミナー一覧
筆者
高木綾一

理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)
三学会合同呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
国家資格キャリアコンサルタント
株式会社Work Shift代表取締役
関西医療大学 保健医療学部 客員准教授
医療・介護分野の経営戦略や人材育成に精通し、年間100回以上の講演を実施。
医療機関や介護事業所の経営支援を通じて、組織の成長と発展をサポートする。
著書には 「リハビリ職種のキャリア・デザイン」 や 「リハビリ職種のマネジメント」 があり、リハビリ職種のキャリア形成やマネジメントの実践的な知識を提供している。
経営相談・セミナー依頼はお気軽にお問い合わせください。
