2026年度診療報酬改定 【短冊読み】「離床を伴わないリハ」新設は何を変える?同じ20分でも評価が分かれる改定案

「中医協 総-2(2026年1月23日付)」の短冊(資料)よりリハビリテーション関連の項目を解説する。

今回は、離床の有無による疾患別リハビリテーション料の評価である。

短冊(点数未確定の段階)を読むと、疾患別リハビリテーション料において「訓練内容に応じた評価」の見直しが示され、その一つとして「離床を伴わずに20分以上の個別療法を行った場合、所定点数を100分の●●で算定する区分」が新設される方向性が読み取れる。

これは「同じ20分でも、離床(ベッド外活動)を伴う介入と、ベッド上で完結する介入を同列に扱わない」というメッセージであり、今後のリハ評価が時間から中身へシフトしていく象徴的な改定案と言える。

メリットは二つある。

第一に、離床・起居移動・ADLにつながる介入が相対的に評価されやすくなり、現場の重点が「生活機能の回復」に揃いやすくなる点である。

第二に、病棟側も含めて「離床できる環境づくり(看護との協働、補助具、動線、見守り)」を進める動機づけとなり、チーム医療の質向上につながる。

一方でデメリット(注意点)もある。

第一に、「離床を伴わない」の定義が曖昧なままだと現場が混乱する。

たとえば端座位や車椅子座位が離床扱いになるかは、最終的に通知や疑義解釈で決まる可能性がある。

第二に、急性期や重症患者では安全性の観点からベッド上介入が必要な場面が多く、区分新設が「離床至上主義」になれば転倒・血圧低下・ライン事故などのリスクを高めかねない。

第三に、対象が短冊では「特定の患者」とだけ示されており、どの患者が減額区分に該当するのかが確定しない限り、請求と運用が難しい点である。

したがって現時点では、短冊から読み取れる方向性として「リハの中身評価が進む」と理解しつつ、最終答申で①対象患者の条件、②離床の定義、③減額割合(●●)と記録要件を必ず確認する、というスタンスが現実的だ。

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筆者

高木綾一

理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)
三学会合同呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
国家資格キャリアコンサルタント
株式会社Work Shift代表取締役
関西医療大学 保健医療学部 客員准教授

医療・介護分野の経営戦略や人材育成に精通し、年間100回以上の講演を実施。
医療機関や介護事業所の経営支援を通じて、組織の成長と発展をサポートする。
著書には 「リハビリ職種のキャリア・デザイン」 や 「リハビリ職種のマネジメント」 があり、リハビリ職種のキャリア形成やマネジメントの実践的な知識を提供している。
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