医療・介護現場、とりわけリハビリ部門においては、「優れたリーダーがいれば組織は機能する」と考えられがちである。
しかし、現場の実態を見ると、リーダーが存在していても組織が停滞するケースは少なくない。
その背景には、フォロアーシップの欠如という構造的な問題がある。
リーダーシップとは、組織の方向性を示し、意思決定を行い、最終的な責任を負う力である。
一方、フォロアーシップとは単なる従属や指示待ちではない。
リーダーの意図を理解した上で、自ら考え、必要な行動を取り、時には建設的な意見を提示し、組織を内側から支える力である。
リハビリ現場は、患者・利用者の状態変化が激しく、標準化が難しい領域である。
多職種連携やリスク管理、個別性の高い判断が求められるため、管理職や主任がすべてを把握し、指示することは不可能である。
したがって、現場で働くリハビリ職一人ひとりの判断力と主体性、すなわちフォロアーシップが組織の質を決定づける。
ここで、リーダーシップとフォロアーシップの関係を整理し、両者がどのように組織へ影響を与えるかを解説した動画を紹介する。
本動画では、リーダーシップだけに依存した組織の脆弱性と、フォロアーが主体的に関与することで組織全体が機能するメカニズムが示されている。
特に重要なのは、「役職がなくても組織に影響を与えることは可能である」という視点である。
評価や介入方針に対する適切な提案、後輩や同僚へのフォロー、多職種との調整役といった行動は、すべてフォロアーシップの発揮である。
これらが積み重なることで、リーダーの意思決定は現場に根付き、組織全体のパフォーマンスが向上する。
良いリハビリ部門とは、強いリーダーがいる組織ではない。
フォロアーが育ち、現場が自律的に動く組織である。
リーダーシップとフォロアーシップは対立概念ではなく、相互補完関係にある。この視点を現場全体で共有することが、持続可能で質の高いリハビリ組織をつくる基盤となる。
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理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)
三学会合同呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
国家資格キャリアコンサルタント
株式会社Work Shift代表取締役
関西医療大学 保健医療学部 客員准教授
医療・介護分野の経営戦略や人材育成に精通し、年間100回以上の講演を実施。
医療機関や介護事業所の経営支援を通じて、組織の成長と発展をサポートする。
著書には 「リハビリ職種のキャリア・デザイン」 や 「リハビリ職種のマネジメント」 があり、リハビリ職種のキャリア形成やマネジメントの実践的な知識を提供している。
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