11月14日の中医協総会では、回復期リハビリ病棟における「リハビリ効果の把握」に関する詳細データが示され、2026年度改定で大幅な基準見直しが入る可能性が極めて高い。
特に、現行の「除外対象」として扱われてきた患者群について、科学的根拠に基づく再整理が焦点となっている。
まず、FIM運動項目20点以下・認知項目14点以下の患者群には、リハビリ介入を行ってもFIM利得がほとんど得られない層が一定数存在することが明確に示された(図1)。
図1 低ADL者のリハビリの効果
これらは、従来「重度だから」「高齢だから」という直感的判断で除外されてきたが、実際には効果が出にくい患者像がより精緻に可視化されつつある。
一方で、80歳以上の患者は現行では「効果判定が難しい」として除外扱いだが、データ上は若年層と同様にリハビリ効果を把握できるケースが多い。
つまり、「年齢による一律除外」は科学的合理性を欠いており、2026年度で撤廃される可能性が高い。
リハビリ提供量に関する分析も示唆的だ。
1日あたり3単位を超えると一定のFIM利得が得られる層はいるものの、4単位以上に増やしても改善効果は頭打ちとなる。
単位の積み上げ型運用が限界を迎えていることを示すデータであり、リハビリ提供量の適正化=生産性評価へ進む布石とみられる。
これらを総合すると、中医協が描いている改定の方向性は次の3点に収れんする。
年齢(80歳以上)を理由とした除外は撤廃方向
FIM運動20点以下・認知14点以下は「効果が限定的」な群として扱い明確化
単位提供の過剰投下を抑制し、科学的根拠に基づく適正量の運用へシフト
つまり、2026年度改定では 「量→質」への転換が一段と加速 する。
病棟経営としては、
重度者への単位過多
ベッド上リハ中心の積み上げ型運用
は確実に逆風となる。
これからの回復期リハ病棟に求められるのは、「誰に、どれだけリハビリを投下すればアウトカムが最大化するのか」
という科学的・マネジメント的視点だ。
2026年改定は、その転換を強く迫る節目になるだろう。
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理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)
三学会合同呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
国家資格キャリアコンサルタント
株式会社Work Shift代表取締役
関西医療大学 保健医療学部 客員准教授
医療・介護分野の経営戦略や人材育成に精通し、年間100回以上の講演を実施。
医療機関や介護事業所の経営支援を通じて、組織の成長と発展をサポートする。
著書には 「リハビリ職種のキャリア・デザイン」 や 「リハビリ職種のマネジメント」 があり、リハビリ職種のキャリア形成やマネジメントの実践的な知識を提供している。
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