高齢になると社会との関わりが減少しがちですが、「社会参加」が健康維持に大きな影響を与えることが多くの研究で明らかになっています。
本記事では、高齢者の社会参加と健康の関係に関わる研究をご紹介します。
- 社会参加と自立生活の維持/上野貴之 他(東京都健康長寿医療センター研究所)
「Social participation and functional disability trajectories in the last three years of life: The JapanGerontological Evaluation Study」2024年6月
掲載誌:Archives of Gerontology and Geriatrics
概 要:月に1回以上の社会参加を行っている高齢者は、人生の最後まで自立した生活を維持する可能性が高いと示されています。この傾向は、特に女性が顕著であると報告されています。
- 地域活動への参加と抑うつ予防/国立健康・栄養研究所
「地域活動への参加が高齢者の抑うつ傾向に及ぼす影響」2019年
掲載誌:日本老年学的評価研究(JAGES)プロジェクト報告
概 要:地域活動への参加は高齢者の抑うつ傾向を低減させることが明らかになっています。特に、地域の会やグループへの参加者が多い地域ほど、抑うつになる人が少ないことが報告されています。
- 運動と認知症予防/筑波大学
「仲間と行う運動が高齢者の認知機能低下予防に及ぼす効果」2023年
掲載誌:Journal of Health Education and Health Promotion
概 要:仲間と共に運動を行うことで、認知機能の低下を予防する効果が高まると示されています。
週2回以上の頻度で運動を行う高齢者は、認知機能障害のリスクが34%低下すると報告されています。
- 就労と介護予防/東京都健康長寿医療センター研究所
「高齢者の就労と要介護認定リスクの関連性に関する研究」2023年
掲載誌:Caresul介護ジャーナル
概 要:就労している高齢者は、就労していない高齢者に比べて新たに要介護認定を受けるリスクが約30%低いと示されています。特にフルタイムで就労している高齢者では、このリスクが57%も低下すると報告されています。
これらの研究は、高齢者の社会参加が心身の健康や生活の質の向上に重要であることを示しています。社会参加の機会を増やすことは、高齢者の健康促進や自立度の維持・向上に寄与すると考えられます。
投稿者
浅田 健吾先生
株式会社colors of life 訪問看護ステーション彩

平成21年に関西医療技術専門学校を卒業し、作業療法士の免許取得する。
回復期・維持期の病院勤務を経て、令和元年より株式会社colors of life 訪問看護ステーション彩での勤務を開始する。
在宅におけるリハビリテーション業務に従事しながら、学会発表や同職種連携についての研究等も積極的に行っている。
大阪府作業療法士会では、地域局 中河内ブロック長や地域包括ケア委員を担当しており、東大阪市PT.OT.ST連絡協議会の理事も務めている。
平成30年からは、大阪府某市における自立支援型地域ケア会議に助言者として参加している。
