PT・OT・STの自己成長の2つのポイント 知識可視化×臨床技術のメンター

理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)が自己成長を遂げるためには、明確な方向性と継続的な努力が求められる。

臨床現場において日々利用者や患者と向き合う中で、「自己成長をどのように実現するか」は、多くの専門職が抱える課題である。

本稿では、その成長を促進する二つの重要なポイントを示したい。

それが「知識の可視化」と「臨床技術のメンター」である。

第一に、知識の可視化である。

専門職における知識は、頭の中に蓄積されているだけでは価値を発揮しにくい。

症例検討会での発表、業務の振り返りシート、学習ノート、あるいはSNSやブログによるアウトプットを通じて、思考を外化することが肝要である。

可視化された知識は、自己理解を深めるだけでなく、同僚や後輩にとっての学びの資源となる。

さらに、文章化や図解を行う過程で「自分はどこまで理解できているのか」が明確になり、次なる学習の指針を得られるのである。

第二に、臨床技術を高めるためのメンターの存在である。

経験豊富な先輩や専門分野に精通した指導者との関わりは、自己成長を加速させる。

メンターは単に技術を教える存在ではなく、臨床現場での判断基準や思考の枠組みを示す存在でもある。

自分一人では気づけない盲点を指摘してもらうことで、臨床力は飛躍的に向上する。

また、メンターの言葉や姿勢は、将来の自分自身の成長モデルとなる。

知識を可視化し、自分の学びを整理すること。

そして信頼できるメンターから臨床の奥深さを学ぶこと。

この二つを両輪として進めることこそ、PT・OT・STが長期的に臨床家として成長し続けるための鍵である。

成長は偶然ではなく、仕組みによって生まれる。

今この瞬間から、自らの知識を可視化し、メンターを求める姿勢を持つことで、臨床家としての未来はより豊かなものとなるであろう。

筆者
高木綾一

理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)
三学会合同呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
国家資格キャリアコンサルタント
株式会社Work Shift代表取締役
関西医療大学 保健医療学部 客員准教授

医療・介護分野の経営戦略や人材育成に精通し、年間100回以上の講演を実施。
医療機関や介護事業所の経営支援を通じて、組織の成長と発展をサポートする。
著書には 「リハビリ職種のキャリア・デザイン」「リハビリ職種のマネジメント」 があり、リハビリ職種のキャリア形成やマネジメントの実践的な知識を提供している。
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