相手に物事を伝える際、事例を用いることがあるかと思います。
事例を用いると、説明や提案したことが正しい・最適解であると考えられる『理由』に現実味を持たせることができます。
『権威性』と『客観性』の2つの要素を意識すると、より高い説得力を持って事例を扱うことができると考えます。
『権威性』は、公的機関からの情報や論文等からの引用で得ることができます。
特に日本人は、権威のある肩書や著名人の言葉を信用しやすい傾向にあると言われています。
ただし専門家の引用であっても一部の切り抜きであったり、孫引き(直接に原典から引くのではなく、他の本に引用された文章をそのまま用いること)になると信ぴょう性を欠くことになります。
逆に信頼性の高い情報元からの引用であることを説明できれば、非常に説得力のある説明となります。
在宅リハビリの場面では、利用者本人やご家族に対して医療的な提案や生活支援の方針を説明する機会も多く、こうした権威性のある情報を活用することは、相手の信頼を得るうえでも有効です。
『客観性』は、データや事実を用いることで得ることができます。
研究結果やアンケートの結果などが代表的ですが、これらは比較対象を用いる(例:Aでは多くが○であったのに対し、Bでは多くが×であった)ことでより強く相手に信ぴょう性を感じさせることができます。
分かりやすいデータを用意できない場合や研究例の無いケースであれば、エピソード(実際に起こった出来事)が根拠・判断材料になる場合もあります。

しかしこの場合は、説明する側の主観や思い込みが感じられるとやはり信ぴょう性を欠くことになるので注意が必要です。
在宅リハビリでは、個別性の高い支援が求められるため、客観的な比較やデータに加えて、過去の訪問で得られた実例を補足的に伝えることで、より納得を得やすくなる場面が多くあります。
これらの2つの要素を意識して、「○○によると、甲において★を行うと多くがAになったと言われています」といった事例を作成・利用されると、相手から納得が得られやすくなるかもしれません。
投稿者
浅田 健吾先生
株式会社colors of life 訪問看護ステーション彩

平成21年に関西医療技術専門学校を卒業し、作業療法士の免許取得する。
回復期・維持期の病院勤務を経て、令和元年より株式会社colors of life 訪問看護ステーション彩での勤務を開始する。
在宅におけるリハビリテーション業務に従事しながら、学会発表や同職種連携についての研究等も積極的に行っている。
大阪府作業療法士会では、地域局 中河内ブロック長や地域包括ケア委員を担当しており、東大阪市PT.OT.ST連絡協議会の理事も務めている。
平成30年からは、大阪府某市における自立支援型地域ケア会議に助言者として参加している。
