在宅リハビリテーションケアスクール登録講師の波野です。
今回は、ポジショニングを実践する上で本来は初めに検討すべきでありながら、現場で見落とされがちなポイントについてお話ししたいと思います。
ポジショニングを行う際、皆さんは何を基準にクッションの入れ方や位置を決定されていますか?
拘縮や褥瘡などの二次障がいの予防を目的にしている方も多いかもしれません。
では、その「予防できればゴール」といえるのでしょうか?
そもそも、予防という行為自体が成果を目に見える形で確認するのが非常に難しいものです。
この「成果が見えにくい」という点に、ポジショニングが現場で継続的に取り組まれにくい理由があると、私は考えています。
正解がわからない、あるいはわかりにくい技術は、実践の中で「これでいいのかな?」「違うのかな?」という疑問を生みやすくなります。
その疑問を議論する時間が取れない忙しい現場では、結果として雑な対応になりがちです。
これは、単にスキルの問題ではなく、「仕組み」や「仕掛け」の問題です。
リハビリテーション職種が関わる姿勢管理においては、技術そのものだけでなく、それを支える仕組みづくりが重要です。
仕組みがなければ、現場に定着せず、個人任せで独りよがりな関わりに終わってしまいます。

まず大切なのは、ポジショニングの目的をチームで明確に共有すること。
そして、その目的に向けた「正解」を再現性のある形で確認できるようにすることです。
たとえば、写真や動画による情報共有だけでなく、「クッションを入れたときの膝の伸び具合」や「圧のかかり方」といった「部分的な成果」も含めて、目に見える形で示すことが大切です。
また、こうした成果をチーム全体に丁寧に伝えることも、実践の定着に非常に有効です。
ポジショニングのような関わりの優先度を業務の中で上げていくためには、上記のような目的の共有と、成果の「見える化」を通じて、良し悪しをすぐに判断できる仕組みを整える必要があります。
それによって初めて、24時間を通した姿勢管理が可能となり、予防や生活の質の改善へとつながっていきます。
多職種との連携に課題を感じている方は、まず「目的の共有」と「成果の確認」から始めてみてください。
投稿者
波野優貴先生

理学療法士
福祉用具プランナー
シーティングコンサルタント
勤務先
◯SOMPOケア株式会社
◯大阪府立大学 非常勤講師
福祉用具論の一部を担当
