心肺運動負荷試験(Cardiopulmonary Exercise Testing:CPX)について、非常に基礎的な内容について投稿する。
CPXは呼気ガス分析を併用し、運動負荷としてはランプ負荷(漸増負荷)を用いて行う運動負荷試験である。
負荷装置として用いる機器は、自転車エルゴメータかレッドミルエルゴメータを使用するのが一般的である。またCPX中は、通常、運動負荷心電図や血圧計、パルスオキシメーターを装着し、それぞれの検査項目も同時に測定しながら実施する。
呼気ガス分析では、運動中の酸素摂取量(VO2)や二酸化炭素排泄量(VCO2)、1回換気量(TV)、呼吸数(RR)を直接測定する。
これら4つの項目を測定することによって、ガス交換比(R)や分時換気量(VE)、VE/VO2、VE/VCO2、VE vs VCO2 slopeなどを計算することができ、様々なパラメータを得ることができる。
以上をまとめると、CPXの特徴として以下4つが挙げられる。
- 呼気ガス分析:呼吸機能・心機能・骨格筋機能・血管内皮細胞機能・赤血球機能などの評価ができる
- 運動負荷:安静時の検査ではわからない情報が得られる
- ランプ負荷(漸増負荷):検査中は徐々に負荷量が増加する。そのため、安静時・軽労作・中等度の労作・重労働のときの血行動態が評価できる
- 運動負荷心電図:運動時の心電図変化の情報が得られる
また、CPXから得られたパラメータや特徴を臨床的に応用することができ、
✓運動耐容能の評価
✓運動処方の作成(ATレベルでの処方が一般的)
✓日常生活指導(METsによる指導)
✓息切れの鑑別(心疾患、肺疾患、骨格筋力の低下、精神的要因など)
✓虚血重症度の判定
✓労作性狭心症の治療方針決定
✓慢性心不全の病態解明・重症度の把握
✓ペースメーカ至適モードの設定
などといった項目が挙げられる。
この中でも、いちセラピストとして実臨床で特に重要な項目は、上から4つであると考えている。
すなわち、運動耐容能の評価は予後予測に用いることができ、運動処方の作成は患者にとって安全かつ効果的な運動を提供できる。
また、日常生活指導はMETsを参考に過負荷(心負荷のかかり過ぎない)にならないよう日常生活指導の実施ができ、息切れの鑑別はその問題点に対するアプローチが可能となる。
投稿者
井上拓也

・理学療法士
・循環認定理学療法士
・3学会合同呼吸療法認定士
・心臓リハビリテーション指導士
・サルコペニア・フレイル指導士
理学療法士免許を取得後、総合病院にて運動器疾患や中枢神経疾患、訪問リハビリテーション等に関わってきました。すべての患者さんのために、障害された機能の改善やADLの向上に励んできました。特に運動器疾患においては、痛みの改善や関節可動域の改善、筋力向上を目的とした理学療法にて、患者さんのADLの向上を図ってきました。
今までの経験を活かして、皆様のお役に立てるように励んで参ります。

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