方向転換動作の基礎知識

方向転換動作にどのような可動域、筋活動等が必要であるかご存知だろうか?

歩行は養成校でも習うが、方向転換動作は習わない事も多いかと思う。

今回はそんな方向転換動作の基礎知識について述べていく。

❶方向転換動作と転倒

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高齢者では方向転換の動きが制限されてくる。

上記のスライドでも記しているように、日常生活の転倒発生因子として、方向転換に関する研究も多く、転倒と方向転換の関連は強く影響している。

そのため方向転換動作を評価することはとても重要となる。

❷方向転換動作の正常って?

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歩行動作などは、養成校でも習うことは多いが、方向転換動作は習うことは少ない。

必要な筋活動は?
必要な関節可動域は?

さまざまな要素があるが、今回はこの2つにフォーカスして述べていく。

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その前に方向転換の方法について簡単に述べる。

方向転換の方法は2つあるといわれている。

クロスステップサイドステップである。

この2つの中でも高齢者の方ではクロスステップを方向転換の際には用いやすいといわれている。

そのため今回はクロスステップにフォーカスを当てて述べていく。

❸方向転換動作で着目すべきポイント

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方向転換動作で着目すべきポイントは3つある。

①足部・足関節
②股関節
③体幹

この3つである。

一つずつ詳しく説明していく。

①足部・足関節

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進行方向を変える際には、足を接地する方向が重要になってくる。

足関節の運動軸は1つであり、足尖が向いている方向にしか底背屈をすることができないが、中足指節関節の屈伸は母趾側と小趾側で軸の向きが異なるため、2つの軸を使い分けることにより身体をどの方向にも回転させることができ、軸足の前足部で身体を支持しながら重心移動の方向をコントロールしている。

このように、重心の方向の制御には前足部の回転機能が重要となる。

また、クロスステップでは軸足の小趾球の足圧が高く、踏み切りは2-5趾方向であり、サイドステップでは母趾球と母趾の趾腹で踏み切っているとの報告もある。

この報告から分かることは、前足部へのスムーズな重心移動と進行方向への蹴りだし、ステップ脚の安定した接地を可能にするのは軸足の安定性であり、この安定性には下腿側方の筋群の活動と股関節の制動が必要となることである。

②股関節

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股関節において主に重要となってくるのは主には上記のスライドのようなことである。

股関節の関節運動は転換角度やステップ幅によってバリエーションがあるが、クロスステップ、サイドステップどちらでも股関節の内外旋と屈曲伸展、内外転のコントロールがスムーズに行われる必要があり、転倒しないためには骨盤を中間位を保持し、これによって上半身の姿勢を維持することが重要となってくる。

③体幹

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主に重要となってくるのは上記のスライドのようなことである。

脊柱の伸展が制限されてしまうと、クロスステップによる方向転換はスムーズに行えない可能性が出てくる。

❹方向転換動作の疾患・障害別特徴

最後に方向転換動作の疾患・障害別特徴を少しまとめたものを見ていただきたい。

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今回は方向転換動作について基本となる知識についてまとめてみた。

これらのことを頭において是非方向転換動作をみていただけると少し理解がしやすくなるかもしれない。

投稿者
堀田一希

・理学療法士

理学療法士免許取得後、関西の整形外科リハビリテーションクリニックへ勤務し、その後介護分野でのリハビリテーションに興味を持ち、宮﨑県のデイサービスに転職する。
「介護施設をアミューズメントパークにする」というビジョンを掲げている介護施設にて、日々、効果あるリハビリテーションをいかに楽しく、利用者が能動的に行っていただけるかを考えながら臨床を行っている。
また、転倒予防に関しても興味があり、私自身臨床において身体機能だけでなく、認知機能、精神機能についてもアプローチを行う必要が大いにあると考えている。そのために他職種との連携を図りながら転倒のリスクを限りなく減らせるよう日々臨床に取り組んでいる。

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