近年、リハビリテーション職種にとって医療訴訟、介護訴訟は現実的な問題となっている。
リハビリテーションサービスにおける転倒、急変、窒息などの事例で係争中になっている事案は多い。
リハビリテーションは基本的にハイリスクな行為が多いサービスである。
リハビリテーションは疾患、後遺症、加齢による影響を受けている方を対象にしている医療行為である。
そのため、リスク管理は必須であり、リスク管理を怠ると一定の確率でハイリスクな事案が生じる。
それでは、医療訴訟や介護訴訟ではどのような論点で争われるのだろうか?
医療訴訟や介護訴訟では問題となる行為が医療水準や介護水準(その時点における平均的なリハビリテーション職種の専門的技量)を達しているかどうかが争点となる。
リハビリテーション職種がサービスを提供した結果、患者に何らかの“悪しき結果”が生じてしまった場合、医療水準から見てその結果を予測(予見)できたか否か、また仮に予見できたとして、医療水準から見てその結果を回避できたかどうかが過失の有無の判断基準となる。
具体的には次のような論点が裁判で争われる。
■問診義務違反
悪しき結果を回避する場面で問診を怠った場合
※リスクや副作用の事例など
■検査義務違反
必要と思われる検査を怠った場合
■診断内容の誤り(見落とし)
※医師にのみ該当する
血液検査、画像検査、その他の検査の結果を見落とした結果、後に重大な疾患が判明した場合
■不必要な検査や手術の実施
検査、処置、手技自体が当該症例に不必要だったときは、仮にミスがなかったとしても責任が生じる
■手技ミス
手技ミスにより患者に実害が生じた場合、過失を争うことが難しい
■経過観察義務違反
入院中、術中、術後などの患者の状態の悪化に対して責任が問われるもので、褥瘡(床ずれ)の管理などの患者管理のほか、院内感染の防止など施設管理の問題も含まれる
■療養指導義務違反
専門家が患者の「悪しき結果」を予測できる場合は、専門家は適切なアドバイスをしなければ責任に問われる可能性がある
上記のような問題を起こさないためには、リハビリテーション職種は常に最新のガイドラインやエビデンスを学び、適切な評価や手技の習得する必要があると言える。
投稿者
高木綾一

株式会社WorkShift 代表取締役
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)
呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
関西医療大学保健医療学部 客員准教授
過去に3つの鍼灸院の経営や運営に携わり、鍼灸師によるリハビリテーションサービスを展開していた。また、デーサービスも立ち上げ、鍼灸師・柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師による機能訓練やリハビリテーションを利用者に提供していた。鍼灸師・柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師の方々への教育や指導経験が豊富である。現在も、全国各地でリハビリテーションに関するセミナー講師として活動している。

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