COPD患者においては換気回数が増えると、肺胞内に空気が残ってしまうエアー・トラッピング現象が生じる。
エアー・トラッピング現象により機能的残気量(FRC:functional residual capacity)が増加していく。
機能的残気量とは「安静時呼気終末の時点で肺内に残っている空気の量」である。
機能的残気量が増加すると、最大吸気量を低下させるため、「息を吸いづらくなる」現象が生じる。
これを動的肺過膨張(DLC:dynamic lung hyperinflation)と言う。
動的過膨張は呼吸筋への負荷増大、換気量減少による呼吸回数増加を生じさせADL低下を招く。
エアー・トラッピングの改善には気管支拡張薬が有効と言われている。
気管支拡張薬は末梢気道を拡張させることで、呼気時における気道の閉塞を予防する。
そのため、気管支拡張薬を投与した後は、数時間、息切れや呼吸困難感も軽減する。
気管支拡張薬は基本的に飲み薬ではなく吸入薬である。
気管支拡張薬には抗コリン薬、β2刺激薬、テオフィリンなどの種類がある。
・β2刺激薬
→交感神経を刺激して、気管支を広げる。
・抗コリン薬
→気管支の収縮をうながすアセチルコリンという物質をブロックし、気管支の収縮を抑える。
・テオフィリン徐放製剤
→ゆっくり溶ける作用時間の長い薬で、気管支を広げる。
気管支拡張薬と運動療法を組み合わせた呼吸リハビリテーションは効果が高いと近年は報告されている。
(辻村 康彦:長時間作用型吸入抗コリン薬チオトロピウムと 呼吸リハビリテーションの併用実施が COPD 患者の運動耐容能に及ぼす影響. 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 第 17 巻 第 2 号.pp157-167.2007)
COPD患者で息切れ、呼吸困難が強くリハビリテーションが難しい状況であった場合、気管支拡張薬をはじめとする治療薬の服薬が円滑に出来ているかについて評価することは重要だと言える。
投稿者
高木綾一

株式会社WorkShift 代表取締役
国家資格キャリアコンサルタント
リハビリテーション部門コンサルタント
医療・介護コンサルタント
理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)
呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
関西医療大学保健医療学部 客員准教授
過去に3つの鍼灸院の経営や運営に携わり、鍼灸師によるリハビリテーションサービスを展開していた。また、デーサービスも立ち上げ、鍼灸師・柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師による機能訓練やリハビリテーションを利用者に提供していた。鍼灸師・柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師の方々への教育や指導経験が豊富である。現在も、全国各地でリハビリテーションに関するセミナー講師として活動している。

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