医療・介護の管理職が最初にやるべき「3つの準備」

高齢化の進展に伴い、医療・介護分野で働く人は確実に増えている。

10年前と比べても、医療機関や介護事業所の従業員数は大きく伸び、現場では「組織をどう動かすか」が成果を左右する時代になった。

医療や介護にマネジメントが不可欠な世の中になったことに、隔世の感を覚える。

筆者は医療・介護領域のコンサルティングを生業としているため、日々さまざまな相談を受けている。なかでも最近増えているのが、次のような悩みだ。

「転職先でマネージャー職になるが、どんな勉強をすれば効果的か」
「マネジメント初心者で、何から手を付ければよいかわからない」

この問いに対して、筆者はまず遠回りに見えて最短距離になる3つのアクションを提案している。

① 制度を学ぶ
(診療報酬・介護報酬)

最初に取り組むべきは、転職先の業界で土台となる制度理解である。

診療報酬や介護報酬を知らずに現場をマネジメントするのは、ルールを知らずに試合をするようなものだ。

学習は厚生労働省など公的機関が公開している資料で十分可能であり、まずは全体像を押さえておきたい。

② 業界特有の課題を押さえる

次に、その業界が抱えやすい構造的な問題を把握する。

人材不足、離職、業務過多、加算取得、ICT導入、連携の難しさなど、領域ごとに論点は異なる。

医療・介護の専門誌や信頼できる記事を通して、現場で起きている課題の傾向を確認しておくと、就任後の判断が格段に速くなる。

③ 現場の人とつながり
ネットワークを作る

最後に重要なのは、実際にその業界で働く人と知り合い、ネットワークを築くことだ。

制度や理論だけでは掴めない「現場の肌感」「暗黙のルール」「よくある失敗」がある。

セミナーや会合に参加し、同業者や管理職と接点を持つことで、情報の質も量も一気に上がる。

この3つを実行すれば、マネジメントの“入口”に立つことができる。

そして、今後、医療・介護領域においてマネジメント能力の価値はますます高まる。

マネジメントなき組織が、市場で優位性を保ち続けることは難しい。

地域包括ケアシステムに貢献するためにも、組織として成果を出すためにも、マネジメントは避けて通れないテーマである。

これから管理職・マネージャーとして一歩踏み出す人には、ぜひ上記の3つのアクションから始めてほしい。

そこから学びは加速し、現場を動かす力へと確実につながっていく。

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筆者
高木綾一

理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)
三学会合同呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
国家資格キャリアコンサルタント
株式会社Work Shift代表取締役
関西医療大学 保健医療学部 客員准教授

医療・介護分野の経営戦略や人材育成に精通し、年間100回以上の講演を実施。
医療機関や介護事業所の経営支援を通じて、組織の成長と発展をサポートする。
著書には 「リハビリ職種のキャリア・デザイン」 や 「リハビリ職種のマネジメント」 があり、リハビリ職種のキャリア形成やマネジメントの実践的な知識を提供している。
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