孤独になることを過度に恐れ、
他人と同じ状況にいることで安堵感を得る。
飲み会に誘われないと不安になり、
「知り合い」というレベルで関係があるだけで、仲良くなった気がしてしまう。
このような心理状態の人は、周囲にも少なからず存在する。
このタイプの人は、人間関係における条件設定のハードルが極めて低い。
志や理念を共有していなくても、ただ「知っている」という理由だけで親密さを錯覚し、共に食事をし、時間を過ごすことができる。
しかし、その関係が
ビジネスのパートナーや
将来の盟友
へと発展することは、ほぼない。
多くの場合、それらは一瞬の知り合いで終わる。
人と違うことをすることに対して、怖さや恐れを感じる人は、
常に自己保身を前提とした行動パターンを取る。
その結果、
自分が所属するコミュニティから異端扱いされないこと、
拒絶されず受け入れられることを最優先し、
心理的安定を得るための行動を選択する。
そのため、
安易で表層的な人間関係の構築に過剰なエネルギーを費やす傾向が強くなる。
しかし、この特徴を持つ人は、
自分の人生を自分でコントロールすることが極めて難しい。
なぜなら、人間関係を無秩序に広げれば広げるほど、
多様な価値観が流入し、
他者からどう見られるかという外部視点に行動が縛られていくからである。
関係性が増えるほど、
判断は遅くなり、行動は鈍り、
本質的な意思決定ができなくなる。
理念や信念を共有していない知人・友人を1万人持つよりも、
理念と信念を共有し、共通の目的に向かって走れる盟友を1人持つ方が、遥かに価値がある(図1)。

図1 一人の盟友の価値
量的な人脈ではなく、質的に深い関係性こそが、長期的な成果を生む。
SNSで、やたらと人脈の豊富さをアピールする人がいる。
しかし、その多くは実際には、
人間関係地獄にはまり込んでいる状態である。
他人の目が気になり、
誰からも嫌われないように振る舞い、
結果として何も決断できず、何も挑戦できない状況を自ら加速させているに過ぎない。
また、
自分自身の価値や実績ではなく、人脈の多さを誇示している時点で、社会人としては二流である。
読者諸氏に伝えたい。
人間関係は、増やすものではない。整理するものである。
そして、
人間関係は「創る力」だけでなく、「断つ力」もまた、社会人にとって不可欠なスキルである。
不要な関係を断ち、
自分の志と理念に沿った関係性だけを残すこと。
それが、
自分の人生を自分で生きるための前提条件である。
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筆者
高木綾一

理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)
三学会合同呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
国家資格キャリアコンサルタント
株式会社Work Shift代表取締役
関西医療大学 保健医療学部 客員准教授
医療・介護分野の経営戦略や人材育成に精通し、年間100回以上の講演を実施。
医療機関や介護事業所の経営支援を通じて、組織の成長と発展をサポートする。
著書には 「リハビリ職種のキャリア・デザイン」 や 「リハビリ職種のマネジメント」 があり、リハビリ職種のキャリア形成やマネジメントの実践的な知識を提供している。
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