カリスマ的セラピストが支えているリハビリ部門は短命である

カリスマ的リーダーとは、超人的な能力によってフォロアーから絶大な信頼を得て、信念や行動に大きな変化をもたらすリーダーである。

能力に長けたカリスマ的リーダーがリハビリ部門を管理していることは決して珍しくない。

そのような組織には、リーダーから学びたいという思いを抱いたセラピストが、全国各地から集まってくる。

カリスマ的リーダーは、明確なビジョンを提示し、従業員の行動指針を示し、自ら先頭に立ってリスクを取る。

この姿勢は非常に魅力的であり、多くの従業員から支持を集める。

しかし、カリスマ的リーダーのいる組織には大きな欠点がある。

それは、組織運営がリーダー個人に過度に依存しやすい点である。

すなわち、組織内に「属人化」が生じやすい。

属人化とは、特定の業務について、ある人しかやり方が分からない状態を指す。

属人化が進むと、担当者が不在になるだけで業務が停滞し、仕事の質を客観的に評価できず、退職時には業務継承が困難となる。

結果として、組織力は著しく低下する。

カリスマ的リーダーがいるリハビリ部門は、実は注意が必要である。

リーダーが不在になれば業務は回らず、従業員の退職が連鎖的に起こる可能性がある。

優秀なリーダーほど外部からのスカウトも多く、その組織は短命になりやすい。

このようなリスクを回避するためには、個人の能力に依存しない仕組みづくりが不可欠である。

業務の標準化、情報共有、複数人が同じ役割を担える体制を整え、マルチプレイヤーを育成することが、持続可能なリハビリ部門運営につながるのである。

マネジメントに関して理解を深めたい方はこちらから → 記事を読む筆者
高木綾一

理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)
三学会合同呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
国家資格キャリアコンサルタント
株式会社Work Shift代表取締役
関西医療大学 保健医療学部 客員准教授

医療・介護分野の経営戦略や人材育成に精通し、年間100回以上の講演を実施。
医療機関や介護事業所の経営支援を通じて、組織の成長と発展をサポートする。
著書には 「リハビリ職種のキャリア・デザイン」 や 「リハビリ職種のマネジメント」 があり、リハビリ職種のキャリア形成やマネジメントの実践的な知識を提供している。
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