成果主義や目標管理制度が浸透しつつある日本において、年功序列制度はしばしば「時代遅れ」「悪い制度」と語られがちです。
リハビリ部門でも、若手の成長意欲や成果をどう評価するか、中堅・ベテラン職員の処遇をどう設計するかは、多くの管理職が悩むテーマではないでしょうか。
年功序列制度とは、勤続年数や年齢に応じて役職や賃金が上がっていく人事制度です。
日本経済が成長を続けていた1965年頃から1990年代にかけて、この制度は多くの企業・医療機関で一般化し、日本社会の「当たり前」となりました。
しかしその後、
・実力や成果に関係なく賃金が上がる
・若手リハビリ職種が正当に評価されにくい
・組織として優秀な人材を育てにくい
といった問題が指摘され、年功序列制度は衰退していきました。
一方で近年、年功序列制度は「人材育成の視点」から再評価されつつあります。
これまでの年功序列は
「年齢を重ねた人が高い給与をもらう制度」
と誤解されてきました。
本来のあるべき姿は、
「年齢を重ねるごとに知識・経験・判断力を高め、リハビリ部門や組織への貢献度を高めた人が評価される制度」
であるはずです(図1)。
図1 年功序列が正しく機能する制度
年功とは、
年と共に生じる功(こう)
です。
年功序列が問題になる組織の本質的な課題は、制度そのものではなく、人材育成が機能していないことにあります。
人は年を重ねれば、本来、臨床力・指導力・マネジメント力が高まっていくものです。
40代・50代になっても組織への貢献が乏しいリハビリ職が生まれてしまうのは、個人だけの問題ではなく、育成と評価の仕組みの問題です。
重要なのは、単に給与を下げることではありません。
組織への貢献を軸にした人事評価制度と、計画的な人材育成を行うことです。
適切な人事考課と育成が行われれば、結果として
「年と共に生じる功」が積み重なり、自然な年功序列が成立します。
あなたの職場の年功序列制度は、
・貢献の少ない人も守る制度でしょうか?
・それとも、リハビリ職として成長し続ける人が報われる制度でしょうか?
今一度、自施設・自部門の年功序列と人材育成の在り方を見直してみてください。
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理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)
三学会合同呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
国家資格キャリアコンサルタント
株式会社Work Shift代表取締役
関西医療大学 保健医療学部 客員准教授
医療・介護分野の経営戦略や人材育成に精通し、年間100回以上の講演を実施。
医療機関や介護事業所の経営支援を通じて、組織の成長と発展をサポートする。
著書には 「リハビリ職種のキャリア・デザイン」 や 「リハビリ職種のマネジメント」 があり、リハビリ職種のキャリア形成やマネジメントの実践的な知識を提供している。
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