2025年現在、理学療法士・作業療法士・看護師といった医療介護職の働き方や生き方は、これまで以上に多様化している。
外部コミュニティに参加し、異業種や多職種とつながりを持とうとする動きは、もはや一般的になりつつある。
ここ10年ほどの間に、医療現場の外へと積極的にコミュニケーションを求める医療介護従事者が増えた。
その背景には、副業、パラレルキャリア、起業といった選択肢が広がってきたことがある。
外の世界とつながることで、新しい刺激や学びを得たいというニーズが高まっている。
とはいえ、異業種交流会に参加すれば誰もが成果を手にできるわけではない。
多くの人は名刺ばかりが増え、人脈形成にも仕事の依頼にもつながらないという現実に直面する。
異業種交流会で成果が出ない背景には、ひとつの明確な法則がある。
自分のスペック以上の人脈や仕事の依頼は成立しない。
つまり、専門性や経験、実績といった市場価値が十分でない状態では、望んでいるようなレベルの人とつながることは難しい。
得られるのは、せいぜい自分と同程度、あるいは自分以下のスペックの人との関係が中心になってしまう。
逆に言えば、自分のスペックが高ければ高いほど、同じレベルの人、あるいはさらに高いレベルの人と自然につながっていく。
自分の市場価値が高ければ、人脈の質も比例して高まり、仕事にも直結する。
自立ができていない状態で異業種交流会などに参加すると、同じく不安定な立場の人とつながりやすく、結果として消耗していくケースが多い。
これは2025年の現在でも変わらない。むしろ、交流会の数が増えたことで、その傾向はより強まっている。
異業種交流会や多職種連携会にはデメリットも多い。
その場が打算的な会話で終わりやすく、長期的な実利に結びつきにくいこと。
キャリアや経営に関する本質的な学びが得られにくいこと。
そして、ネットワークビジネスや副業商材の勧誘が増え、対応に疲弊することも少なくない。
結局のところ、異業種交流会を有益なものにするためには、まず自分自身のスペックを引き上げることが不可欠だ。
スペックを高めていれば、交流会に行かなくても自然と良い人脈や仕事の依頼が集まってくる。
これは2025年の今でも揺るがない事実である。
さらに現在は、XやYouTube、ブログ、Instagramなどの発信手段が豊富になり、外部の交流会に参加しなくても人脈形成やキャリア形成が可能になった。
専門性を発信し続けることで、価値を感じた人から声がかかるケースは急増している。
最終的に重要なのは、まず自分自身のスペックを上げること。
そして、自分の専門性を言語化し、発信することである。
この順番を間違えなければ、医療介護職のキャリアは確実に広がり、良質な人脈は自然と形成されていく。
筆者
高木綾一

理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)
三学会合同呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
国家資格キャリアコンサルタント
株式会社Work Shift代表取締役
関西医療大学 保健医療学部 客員准教授
医療・介護分野の経営戦略や人材育成に精通し、年間100回以上の講演を実施。
医療機関や介護事業所の経営支援を通じて、組織の成長と発展をサポートする。
著書には 「リハビリ職種のキャリア・デザイン」 や 「リハビリ職種のマネジメント」 があり、リハビリ職種のキャリア形成やマネジメントの実践的な知識を提供している。
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