付き合う人でキャリアは変わる

多くの人は、自分より能力の高い人との交流を避けがちである。

正確に言えば「避けたい」と考える人が多い。

その理由は明快であり、交流を通じて能力差を突きつけられ、自尊心が傷つくからである。

結果として、多くの人は自分より能力の低い人との交流を選ぶ。

そこでは傷つくことがなく、時に相手から認められ、優越感を得ることもできるからである。

しかし、このような環境に留まり続けることは、キャリア形成において致命的な結果を招く。

現代社会においては、自らの能力を磨き続けることがますます重要になっている。

終身雇用制度はすでに崩壊し、雇用を左右する最大の要素は「その人がどれほど価値を提供できるか」に移行している。

それにもかかわらず、看護師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・医師・薬剤師といった医療従事者の中には、国家資格を盾に働く者が少なくない。

これは資格依存のキャリアであり、危うい構造である。

もし近い将来、資格そのものよりも「個人の提供価値」が評価の中心になる時代が到来すれば、資格を振りかざすだけの人材は労働市場から容易に淘汰されるであろう。

また、自分より能力の低い人とばかり付き合うことの弊害は、現状把握ができなくなることである。

能力の比較対象を誤ることにより、「自分は十分に価値を提供できている」と錯覚する危険性が生じる。

これは、自分の基準を低い位置に置くことによって発生する深刻な問題である。

本来、能力を高めるための比較対象は「自分より能力の高い人」あるいは「昨日までの自分」でなければならない。

そこにこそ成長の糧があり、現状の正しい認識が可能となる。

結局のところ、誰と付き合うかが人生を決める。

キャリア開発において、人との関わりは極めて重要な要素なのである。

キャリア形成に関心のある方は、こちらまで

筆者
高木綾一

理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)
三学会合同呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
国家資格キャリアコンサルタント
株式会社Work Shift代表取締役
関西医療大学 保健医療学部 客員准教授

医療・介護分野の経営戦略や人材育成に精通し、年間100回以上の講演を実施。
医療機関や介護事業所の経営支援を通じて、組織の成長と発展をサポートする。
著書には 「リハビリ職種のキャリア・デザイン」 や 「リハビリ職種のマネジメント」 があり、リハビリ職種のキャリア形成やマネジメントの実践的な知識を提供している。
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