2040年の理学療法士・作業療法士が生き残るための戦略と新市場の開拓

2040年現在、理学療法士(PT)・作業療法士(OT)の総数は推定40〜50万人とされる。

2010年代から続いた養成校の大量輩出と、平均寿命の延伸による就業期間の長期化が重なり、医療・介護現場では有資格者の供給過多が現実のものとなっている。

結果として、平均的なリハビリ職の賃金水準は横ばいで、劇的な年収増は望みにくい状況が続く。

国や制度依存からの脱却が必須に

2040年のリハ専門職が生き残るには、「国の制度や職場のポスト」に依存しない働き方が不可欠である。

鍵は個のブランディングである

AIやロボットでは代替できない臨床判断力や関係構築力を武器に、市場から直接評価される立ち位置を確立する。

歯科医師が先行した「働き方の転換」

2010年代から過当競争を生き抜いてきた歯科医師は、在宅往診特化、嚥下リハ特化、審美・再生の高付加価値化、口腔健康の包括サービスなどで差別化してきた。

共通項は「既存市場からの脱却」と「専門性の再定義」である。

理学療法士・作業療法士に広がる新市場

社内領域:高度専門職向けリハ教育・AI活用トレーニング、他職種連携のオンラインカンファレンス、新リハ機器・アプリの開発協力・臨床試験、介護職・看護職への教育
社外領域:ロボティクス活用の在宅支援サービス、スポーツ・ウェルネス業界への機能改善コンサル、デジタルコンテンツ販売(リハ動画・セルフケアアプリ)、国際遠隔リハサービス等

2040年を生き抜く条件

国家資格は「土台」に過ぎず、「資格をどう使うか」が勝負である。
市場を読む力、新技術への適応力、他業種を巻き込む企画力、専門性を社会課題解決に結びつける力が求められる。
2040年のPT・OTは、「資格に食べさせてもらう」のではなく、資格を武器に市場を創る専門家でなければならない。

筆者
高木綾一

理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)
三学会合同呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
国家資格キャリアコンサルタント
株式会社Work Shift代表取締役
関西医療大学 保健医療学部 客員准教授

医療・介護分野の経営戦略や人材育成に精通し、年間100回以上の講演を実施。
医療機関や介護事業所の経営支援を通じて、組織の成長と発展をサポートする。
著書には 「リハビリ職種のキャリア・デザイン」 や 「リハビリ職種のマネジメント」 があり、リハビリ職種のキャリア形成やマネジメントの実践的な知識を提供している。
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