第38回大阪府理学療法学術大会に登壇して:学術活動と技術経営をつなぐキャリアデザイン

2026年7月5日、第38回大阪府理学療法学術大会において、シンポジウムのシンポジストとして登壇した。

テーマは「学術活動とキャリアデザイン」であり、私はその中で、学術活動と技術経営の視点について発表した。

今回のシンポジウムでは、著明な先生方と同席する機会をいただいた。

各先生方の発表は、臨床、教育、研究、組織運営のそれぞれの立場から深い示唆に富む内容であり、大変学びの多い時間であった。

単に研究成果を発表するだけではなく、学術活動をどのように臨床実践や人材育成、さらにはキャリア形成につなげていくのか。

その視点の重要性を改めて感じた。

私からは、理学療法士が専門技術を高めるだけでなく、その技術をどのように社会的価値へ変換していくかについて述べた。

臨床技術は、個人の経験や勘だけに依存していては継承されにくい。

だからこそ、学術的な裏付けを持ち、再現性のある知識や技術として整理していく必要がある。

また、その知識や技術を組織、事業、教育、地域貢献へと展開するには、技術経営の視点が欠かせないのである。

発表後には、参加者の皆様から多くの質問をいただいた。

学術活動をどのように継続するのか、臨床現場で研究をどう位置づけるのか、個人のキャリア形成に学術活動をどう活かすのかなど、非常に本質的な問いが多かった。

これらの質問から、理学療法士の多くが、日々の臨床だけでなく、その先にある専門職としての成長や社会的役割について真剣に考えていることが伝わってきた。

学術活動は、大学や研究機関だけのものではない。

臨床現場で生じる疑問を整理し、検証し、発信することも立派な学術活動である。

そして、その積み重ねが専門職としての信頼を高め、現場の実践力を底上げする。

学術と臨床、技術と経営、個人の成長と社会への貢献。

これらを分断せず、つなげて考えることが、これからの理学療法士に求められる姿勢であると改めて実感した一日であった。

筆者
高木綾一

理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)
三学会合同呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
国家資格キャリアコンサルタント
株式会社Work Shift代表取締役
関西医療大学 保健医療学部 客員准教授

医療・介護分野の経営戦略や人材育成に精通し、年間100回以上の講演を実施。
医療機関や介護事業所の経営支援を通じて、組織の成長と発展をサポートする。
著書には 「リハビリ職種のキャリア・デザイン」 や 「リハビリ職種のマネジメント」 があり、リハビリ職種のキャリア形成やマネジメントの実践的な知識を提供している。
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