令和8年度診療報酬改定 疑義解釈資料その8を読む リハビリ部門に影響する回復期リハ・心不全管理・計画書説明・訪問看護紹介料禁止の論点

 

回復期リハビリテーション入院医療管理料

回復期リハビリテーション入院医療管理料では、半径十二キロメートル以内という地域配置要件が示されている。
原則として、当該保険医療機関を中心とした半径十二キロメートル以内に、他の医療機関が回復期リハビリテーション病棟入院料1から5を届け出ていないことが要件となる。

ただし、半径12km以内に他の回復期リハビリテーション病棟がある場合でも、一定の条件を満たせば届出が認められる余地がある。具体的には、半径10km以内に他の回復期リハビリテーション病棟がないこと、二次医療圏内の回復期病床数が人口10万対50床以下であること、近隣医療機関の合意、都道府県の必要性への同意、16床以上を一体的区域として届け出ること等が求められる。

心不全再入院予防継続管理料

心不全再入院予防継続管理料では、心不全再入院予防チームに理学療法士が所属してよいことが明記されている。
所属する場合には、心不全の予防指導に関する適切な研修修了が望ましいとされている。

また、地域に心不全再入院予防継続管理料3を算定する医療機関がない場合でも、研修会の開催は必要とされ、二次医療圏内の医療機関に参加や連携を呼びかけることが求められている。

これは、理学療法士が心不全管理、再入院予防、地域連携の中で役割を広げていく根拠となる内容である。循環器疾患のリハビリテーションや生活指導を考えるうえでも重要である。

リハビリテーション実施計画書

リハビリテーション通則では、リハビリテーション実施計画書の写しに、説明日および説明者の記載がない場合の取扱いが示されている。
医師以外の職種が説明を行った場合は、診療録そのものではなく、診療記録のうち診療録以外の部分に記載して差し支えないとされた。

これは、PT・OT・STがリハビリテーション実施計画書の説明に関わる現場において、説明記録をどこに、どのように残すかを明確化する内容である。
監査対策、記録教育、リハビリテーション部門の業務管理において重要なポイントである。

摂食嚥下機能回復体制加算

摂食嚥下機能回復体制加算では、摂食嚥下支援計画書の説明について、医師または医師の指示を受けた看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士でよいと示された。

一方で、回復期リハビリテーション病棟入院料等を算定している患者について、摂食嚥下支援計画書をリハビリテーション総合実施計画書の一部として作成した場合は、医師が説明・交付し、その写しを診療録に添付する必要がある。

この点は、摂食嚥下支援における多職種連携と説明責任を整理するうえで重要である。特に、嚥下、栄養、ADL、チーム医療に関わる職種は確認しておきたい内容である。

訪問看護療養費と紹介料禁止

訪問看護療養費関係では、訪問看護ステーションが他事業者やその従業員に対し、利用者紹介の対価として金品等の経済上の利益を提供し、自ステーションへ誘引することが禁止されている。

ここでいう経済上の利益には、金銭だけでなく、物品、便益、労務、饗応、通常より安く購入できる利益も含まれる。
また、契約書上は広報業務委託料や運転業務委託料という名目であっても、実質的に紹介の対価と判断されれば問題となる。

訪問看護・訪問リハビリテーション領域では、集客戦略とコンプライアンスを明確に分けて考える必要がある。
今後は、単なる営業力だけではなく、適正な連携、利用者の自由な選択、サービスの質を前提とした運営がより重要になる。

まとめ

疑義解釈その8では、回復期リハビリテーション病棟の地域配置要件、心不全再入院予防における理学療法士の関与、リハビリテーション実施計画書の説明記録、摂食嚥下支援計画書の説明者、訪問看護における紹介料禁止など、リハビリテーション領域に関わる重要な内容が示されている。

特に、説明責任記録管理多職種連携地域連携コンプライアンスは、今後のリハビリテーション現場においてますます重要になる視点である。現場職員だけでなく、管理職や事業所運営者も確認しておくべき内容である。

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筆者
高木綾一

理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)
三学会合同呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
国家資格キャリアコンサルタント
株式会社Work Shift代表取締役
関西医療大学 保健医療学部 客員准教授

医療・介護分野の経営戦略や人材育成に精通し、年間100回以上の講演を実施。
医療機関や介護事業所の経営支援を通じて、組織の成長と発展をサポートする。
著書には 「リハビリ職種のキャリア・デザイン」 や 「リハビリ職種のマネジメント」 があり、リハビリ職種のキャリア形成やマネジメントの実践的な知識を提供している。
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