2026年度診療報酬改定で変わる在宅医療の管理料 在宅時医学総合管理料・施設入居時等医学総合管理料の要点

在宅医療において重要な診療報酬が、在宅時医学総合管理料と施設入居時等医学総合管理料である。

これらは、医師が通院困難な患者に対して計画的な医学管理を行い、定期的に訪問診療を実施することを評価する月1回算定の管理料である。

訪問診療料が「訪問して診察した行為」への評価であるのに対し、これらの管理料は、患者の疾患、生活、服薬、介護状況を継続的に把握し、在宅療養を支える医学的マネジメントへの評価である。

在宅時医学総合管理料は、主に自宅等で療養する患者を対象とする。

一方、施設入居時等医学総合管理料は、有料老人ホーム、特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム等の施設入居者等を対象とする。

いずれも、通院困難であること、患者の同意を得ること、在宅療養計画を作成すること、計画に基づき定期的な訪問診療を行うことが基本要件である。

また、点数は医療機関の届出区分、訪問診療の回数、単一建物診療患者数、患者の重症度等により細かく設定されている。2026年度診療報酬改定では、在宅医療の質と必要性に応じた評価を進める観点から、在宅時医学総合管理料等の見直しが行われた。

特に重要なのは、月2回以上訪問診療を行う区分について、患者状態に応じた要件が強化された点である。

重症度の高い患者や包括的支援加算の対象患者を一定程度以上診ていることが求められる方向となり、必要性が乏しい患者に対して一律に月2回訪問する運用は見直されている。

これは、訪問回数そのものではなく、患者の状態に応じた必要十分な在宅医療を評価する考え方である。

代表的な点数例として、在宅療養支援診療所で病床を有しない場合、在宅時医学総合管理料は月2回以上訪問診療で単一建物診療患者が1人の場合4085点、2人以上9人以下の場合2185点である。

月1回訪問診療では、1人の場合2505点、2人以上9人以下の場合1365点である。

施設入居時等医学総合管理料では、同区分で月2回以上訪問診療の場合、単一建物診療患者が1人で2885点、2人以上9人以下で1535点、月1回訪問診療では1人1785点、2人以上9人以下975点である。

さらに2026年度改定では、在宅医療充実体制加算が新設され、重症患者、看取り、緩和ケア等を積極的に担う医療機関を評価する方向性が強まった。

また、残薬確認や適切な服薬管理の重要性も明確化され、在宅医療における薬剤管理の質も問われるようになっている。

在宅医療の管理料は、単なる訪問回数の対価ではない。患者が住み慣れた場所で療養を継続するために、医師が月単位で状態を把握し、必要な医療、介護連携、服薬管理、急変時対応を総合的に調整することへの評価である。

したがって、在宅医療機関には「訪問すること」以上に、患者の生活全体を見据えた医学管理を行う姿勢が求められるのである。

 

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筆者
高木綾一

理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)
三学会合同呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
国家資格キャリアコンサルタント
株式会社Work Shift代表取締役
関西医療大学 保健医療学部 客員准教授

医療・介護分野の経営戦略や人材育成に精通し、年間100回以上の講演を実施。
医療機関や介護事業所の経営支援を通じて、組織の成長と発展をサポートする。
著書には 「リハビリ職種のキャリア・デザイン」 や 「リハビリ職種のマネジメント」 があり、リハビリ職種のキャリア形成やマネジメントの実践的な知識を提供している。
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