心拍数と脈拍数の違い

本稿では、心拍数(Heart RateHR)と脈拍数(Pulse RatePR)の違いについて述べてみたい(図も参照)。

一般的に心拍数と脈拍数は、同義語のように取り扱われていることが多いと思われる。

しかし、両者の定義は当然異なっており、まずはそれを整理してみたい。

・心拍数とは、1分間あたりの心臓の電気的な興奮において、心臓が収縮した回数

・脈拍数とは、1分間あたりの心臓から拍出された血液が末梢血管に伝わり拍動した回数

つまり、平たく言うと心拍数は1分間あたりに心臓が拍動した数、脈拍数は1分間あたり末梢血管が拍動した数ということになる。

これらの評価方法は、心拍数は心電図(標準12誘導心電図、モニター心電図、ホルター心電図など)や聴診器にて評価することができる。

心電図ではQRSの数、聴診器では拍動音が心拍数となる。

一方で、脈拍数は末梢動脈の触知(検脈)やパルスオキシメーターにて評価することができる。

正常(洞調律)においては心拍数と脈拍数は一致するが(心拍数=脈拍数)、不整脈を合併する場合は、両者は一致せずに差が生じることになる(心拍数≧脈拍数)。

心拍数よりも脈拍数が少なくなる最も代表的な不整脈としては、心室期外収縮(premature ventricular contractionPVCが挙げられる。

心拍数は洞調律でもPVCでも1拍としてカウントされるが、脈拍数は洞調律は1拍としてカウントされるが、PVCは脈拍を触知できないためカウントされない。

すなわち、PVCが起こると脈拍が欠損(欠滞)することになる。一般的に脈が飛んだと表現されるのが、これである。

その他、心拍数と脈拍数に差が出る病態として、心房細動(atrial fibrillationAF心室頻拍(ventricular tachycardiaVT心室細動(ventricular fibrillationVFなどの不整脈がある。

投稿者
井上拓也

理学療法士
循環認定理学療法士
心臓リハビリテーション指導士
3学会合同呼吸療法認定士
サルコペニア・フレイル指導士
国家資格キャリアコンサルタント
心電図検定1級
植込み型心臓不整脈デバイス認定士
協会指定管理者(上級)
フレイル対策推進マネジャー
地域ケア会議推進リーダー
介護予防推進リーダー
mysole協会ベーシックマイスター

循環器疾患(心臓リハビリ)や代謝疾患(糖尿病)、透析リハビリ、サルコペニア・フレイルを中心に臨床を行っている。

また、心肺運動負荷試験(CPX)も相当数経験をしており、呼気ガス分析に基づく安全かつ効果のある運動処方を展開するよう常に心がけている。

定期的にセミナー講師も務め、上記の疾患およびそのフィジカルアセスメント、心電図の判読などの情報提供も行っている。

 

関連記事