令和8年5月29日に示された疑義解釈資料その7では、リハビリテーション職種が確認しておくべき項目が複数示されている。特に、回復期リハビリテーション病棟、精神科領域、入退院支援、嚥下調整食、訪問看護との連携に関する内容は、現場運営に直結する重要な論点である。
回復期リハビリテーション病棟入院料では、高次脳機能障害の範囲が確認された。記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害に加え、失語、失行、失認、その他の認知機能障害も含まれるとされた。これは、回復期リハ病棟における重症患者割合の判断にも関係するため、評価・診断名・記録の整合性がより重要になる。単に身体機能だけを見るのではなく、生活行為や社会復帰を阻害する認知機能面の課題を丁寧に評価する必要がある。
精神病棟看護・多職種協働加算では、作業療法士、精神保健福祉士、公認心理師の配置について、常勤換算で1名以上ではなく、様式9の勤務実績表に記載され、当該月の勤務実績がある職員として1名以上いればよいとされた。勤務時間数は問われない。精神科領域においても、多職種協働の中で作業療法士の役割が制度上明確に位置づけられている点は重要である。
入退院支援加算1では、地域包括ケア病棟入院料を算定する病床が算定対象病床数に追加されたことに関連し、経過的な取扱いが示された。令和8年3月31日時点で入退院支援加算1と地域包括ケア病棟入院料を届け出ている医療機関では、令和9年3月31日まで従前どおり地域包括ケア病棟の病床を除いて算出できる。退院支援、介護支援等連携指導料、地域連携の実績管理に関わるため、リハビリ部門も把握しておくべき内容である。
入院時食事療養等に係る特別食加算(嚥下調整食)では、嚥下調整食に関する研修の具体例が示された。嚥下リハビリテーションは、STだけで完結するものではなく、管理栄養士、調理師、看護師、リハビリ職種が連携して初めて生活支援として機能する。食形態の安全性と栄養管理の質を高めるためにも、嚥下調整食の体制整備は重要である。
包括型訪問看護療養費では、地域の保険医療機関や訪問看護ステーションとの研修・事例検討会、情報提供実績について、特別の関係にない外部機関との連携が含まれていることが必要とされた。在宅リハビリテーションでは、同一法人内だけで完結する連携では不十分であり、地域全体で支援体制を作ることが求められている。
今回の疑義解釈は、リハビリテーションが病棟内の機能訓練だけでなく、精神科、多職種協働、嚥下、退院支援、在宅連携へ広がっていることを改めて示している。制度を正しく理解し、リハビリ部門の実践と記録、地域連携の質を高めることが今後ますます重要である。
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理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)
三学会合同呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
国家資格キャリアコンサルタント
株式会社Work Shift代表取締役
関西医療大学 保健医療学部 客員准教授
医療・介護分野の経営戦略や人材育成に精通し、年間100回以上の講演を実施。
医療機関や介護事業所の経営支援を通じて、組織の成長と発展をサポートする。
著書には 「リハビリ職種のキャリア・デザイン」 や 「リハビリ職種のマネジメント」 があり、リハビリ職種のキャリア形成やマネジメントの実践的な知識を提供している。
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