歩行分析に苦手意識を抱いているセラピストは多く存在する。
歩行動作を分析するためには、まず歩行動作を観察できないといけない。
この動作観察の段階で難渋するセラピストが多いようだ。
その一方で、動作観察ができていると思っているセラピストも存在する。
その場合、「体幹が崩れている」「重心が下がっている」「骨盤が後方に退けている」「下肢の支持性が低下している」などの表現にて、動作観察を完結していることがある。
果たして、そのような表現で問題点を明確にできるだろうか??

いずれの表現も、動作を関節運動で表現できていないため、問題点を明確にすることはできない。
つまり、歩行の動作観察では、どの関節運動によって体幹が崩れているように見えるのか、どの関節運動によって重心が下がっているように見えるのか、どの関節運動によって骨盤が後方へ退けているのか、どの関節運動によって下肢の支持性が低下しているのか、を運動学的に表現できることが必要である。
関節運動を的確に表現できると、〇〇関節のROM制限、□□の筋力低下、△△の筋緊張低下、といった機能障害レベルでの問題点を明確にできる。
我々セラピストは、運動学や解剖学を基本的な知識として、養成校では勉強し続けてきた。
また、関節可動域練習や筋力強化練習は、基本的な運動療法として学内教育や臨床実習、卒後の研修などでも勉強する機会は多い。
要するに、動作を関節運動で表現することで、機能障害レベルでの問題点の抽出につながり、我々が得意としている運動療法(ストレッチングや筋トレなど)への展開が行いやすくなる、ということだ。
歩行分析に苦手意識がある人も、そうでない人も、今一度、運動学的な表現(関節運動)で動作観察をするクセをつけてみてはどうだろうか。
動作分析に関するリハビリテーションの一覧はこちらから
投稿者
藤本将志先生

理学療法士
六地蔵総合病院リハビリテーション科
解剖学・運動学に基づく動作分析を軸にした評価・治療を得意とし、生活期におけるADL動作の改善に向けた個別指導・自主トレーニングプログラムの提供に力を注いでいる。

