令和8年度診療報酬改定 リハビリ関連の疑義解釈資料その3を読む 在宅・地域包括ケア病棟に関わる運用ポイントを整理する

令和8年度診療報酬改定に関する疑義解釈その3が示された。今回の資料は、リハビリテーションに関する論点が大量に並んでいるわけではないが、地域包括ケア病棟の運用や在宅領域での訪問対応に関わる重要な内容が含まれている。特に、病院リハビリテーション部門の管理者、地域包括ケア病棟の担当者、訪問看護や在宅支援に関わるリハビリ職種にとっては確認しておくべき内容である。

地域包括ケア病棟に関わる包括期充実体制加算の考え方

今回の疑義解釈で、リハビリ部門に比較的関係が深いのが包括期充実体制加算に関する整理である。

包括期充実体制加算の施設基準において、医療法第 30条の4の規定に基づき都道府県が作成する医療計画に記載されている第二次救急医療機関であること又は救急病院等を定める省令に基づき認定された救急病院であることが求められている。

疑義解釈では、療養病床が中心の医療機関であって、地域の事情により二次救急医療機関や救急病院の指定を受けられない場合であっても、療養病床で届け出ている地域包括ケア病棟または病室において、他の基準をすべて満たし、さらに一定の条件のもとで24時間の救急患者受入れを行っていれば、基準を満たすものとみなす取扱いが示された。

特別の関係にある施設からの実績は算入されない

包括期充実体制加算に関して、もう一つ重要なのは、特別の関係にある介護保険施設や、当該施設からの入院については、実績要件に算入しないと明示された点である。対象となるのは、協力医療機関の数、自宅等からの緊急入院患者の受入れ実績、救急搬送後の患者等の割合である。これらについて、関連施設内だけで数字を構成しても評価対象にはならないことが明確になった。

この考え方は、地域包括ケア病棟や回復支援機能が、真に地域の中で機能しているかを問うものである。リハビリ部門としても、単に院内で訓練を提供するだけでは不十分であり、地域の医療・介護資源との接続の中で、自院の役割をどう果たしているかが重要になる。地域連携、多職種協働、在宅復帰支援の実効性が、今後ますます問われることになるであろう。

在宅領域では訪問回数と訪問時間の両方を確認する必要がある

今回の疑義解釈では、包括型訪問看護療養費に関する取扱いも示されている。この内容は、訪問看護ステーションや在宅支援部門に関わるリハビリ職種にとって重要である。資料では、日中に40分の訪問を行い、その後、夜間に緊急対応で30分訪問した事例が示されている。この場合、1日の合計訪問時間は70分となる。

一見すると60分以上90分未満の区分に該当しそうであるが、疑義解釈ではそうは扱われていない。訪問回数が1日2回であり、60分以上90分未満の区分に必要な1日3回以上の訪問を満たしていないため、算定できるのは30分以上60分未満の区分であると示されている。

ここで重要なのは、算定区分は単純に合計時間だけで決まるわけではないという点である。在宅現場では、急変対応や家族からの連絡によって予定外の訪問が生じることが少なくない。しかし、その場合であっても、訪問時間だけを見て判断するのではなく、訪問回数要件まで含めて確認しなければならない。リハビリ職種が訪問業務に関わる場合にも、制度理解が不十分なまま現場運用をすると請求上の誤りにつながるおそれがある。

計画外の緊急訪問であっても2回以上なら包括型で整理する

さらに今回の疑義解釈では、1日に2回以上の訪問看護を行った場合、それが計画に基づく訪問ではなく、緊急対応として実施した訪問であっても、包括型訪問看護療養費として算定する取扱いが示された。

この点は在宅現場で非常に実務的な意味を持つ。予定していなかった緊急訪問だから通常の訪問として別に考える、という理解ではなく、1日2回以上の訪問になった時点で包括型のルールで整理する必要があるということである。訪問リハビリや訪問看護に関わる現場では、療法士、看護師、事務職員、管理者が共通認識を持っておくべき論点である。

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筆者
高木綾一

理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)
三学会合同呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
国家資格キャリアコンサルタント
株式会社Work Shift代表取締役
関西医療大学 保健医療学部 客員准教授

医療・介護分野の経営戦略や人材育成に精通し、年間100回以上の講演を実施。
医療機関や介護事業所の経営支援を通じて、組織の成長と発展をサポートする。
著書には 「リハビリ職種のキャリア・デザイン」 や 「リハビリ職種のマネジメント」 があり、リハビリ職種のキャリア形成やマネジメントの実践的な知識を提供している。
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