2026年度診療報酬改定において、回復期リハビリテーション病棟入院料の施設基準は大きく見直された。
今回の改定の本質は、回復期リハビリテーション病棟を単にリハビリテーションの単位数を確保する場としてではなく、より明確なアウトカムを出す病棟として再整理しようとしている点にある。


まず、入院料1から5までの評価体系そのものが引き上げられている。
入院料1は2346点、入院料2は2274点、入院料3は2062点、入院料4は2000点、入院料5は1794点となり、全体として点数水準は上昇した。
一方で、その裏側では実績指数や重症患者割合の見直しが入り、単なる増点では終わらない内容となっている。
入院料1では重症患者割合が3割5分以上、入院料3では2割5分以上とされ、従来より基準は引き下げられた。
これは、重症者を無理に集めなくてもよいというメッセージとも読める。
その結果、今後は重症者の入院先がこれまでとは変わる可能性がある。
また、入院料2と4にも新たに実績指数32以上の基準が設定され、アウトカム評価の対象が広がった。
さらに実績指数の算出方法そのものも見直され、歩行やトイレ動作の自立といった生活場面の改善がより重視される方向である。
実績指数から除外できる患者の範囲も狭くなり、病棟として実際にどれだけ改善を生み出したかが、これまで以上に問われることになる。
加えて、質の高い取組に対する新たな評価として、回復期リハビリテーション強化体制加算が新設された。
この加算を算定している病棟は、いわばスーパー回復期リハビリ病棟といえる存在である。
また、他の注目点としては土曜・休日を含め全ての日にリハビリテーションを提供できる体制を、入院料3と4でも要件化した点である。
ただし、実際にどの程度のリハビリテーションの単位数を確保すれば要件を満たすのかは現時点では明確でなく、通知や疑義解釈を待つ必要がある。
今回の改定は、回復期リハビリテーション病棟に対して、単位数の多さだけではなく、患者の改善をどのように生み出すかを問う内容である。
一方で、重症患者割合の引き下げや強化体制加算の新設は、病棟の役割分化をさらに進める可能性もある。
今後は、どれだけの病棟がスーパー回復期リハビリ病棟を目指すのか、そして重症者をどこが受け止めるのかが大きな論点になる。
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筆者
高木綾一

理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)
三学会合同呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
国家資格キャリアコンサルタント
株式会社Work Shift代表取締役
関西医療大学 保健医療学部 客員准教授
医療・介護分野の経営戦略や人材育成に精通し、年間100回以上の講演を実施。
医療機関や介護事業所の経営支援を通じて、組織の成長と発展をサポートする。
著書には 「リハビリ職種のキャリア・デザイン」 や 「リハビリ職種のマネジメント」 があり、リハビリ職種のキャリア形成やマネジメントの実践的な知識を提供している。
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