在宅高齢者への「熱中症・脱水症状対策」~独居や高齢者世帯での支援ポイント~

高齢者は暑さを感じにくく、喉の渇きにも気づきにくい傾向があります。

さらに独居や高齢者のみの世帯では、体調変化を見守る人がいないため、熱中症や脱水症状が重症化しやすいといったリスクがあります。

そこで今回は、在宅で生活する高齢者への「熱中症・脱水症状対策」について、療法士としてどのような指導や提案ができるかをお伝えします(図1)。

図1 エアコン・水分摂取・体調変化・見守りがキーワード

【療法士としてできる具体的な支援】

① 環境面への助言

「エアコンをつけるのはもったいない」と我慢してしまう方には、「我慢しすぎるとかえって体に負担がかかる」ことを丁寧に説明しましょう。

エアコンの使い方の目安(室温28℃以下、湿度60%以下など)や、タイマー設定、扇風機の活用法なども具体的に伝えます。

また、温湿度計を設置することで、“感覚”ではなく“数字”で判断できる環境づくりも提案できます。

② 水分摂取の習慣づけ

「喉が渇いたときだけ飲む」では不十分なことを説明し、1日1.2〜1.5Lを目安にこまめに摂取することを勧めましょう。

ただし、心疾患や腎疾患で水分制限がある場合は、主治医との連携が必要です。

以下のような工夫も有効です。

・コップ1杯の水を3食+おやつ時に飲むルール化

・水やお茶の位置を「いつも目に入る場所」に配置

・ゼリーやスープなど飲みやすい形での水分補給

③ 身体の変化への気づきを促す

脱水や熱中症のサイン(皮膚の乾燥、尿量減少、ふらつき、頭痛、倦怠感など)を簡単な言葉で本人にも伝えておくことが大切です。

「何か変だなと思ったら早めに休む、冷やす、飲む」ことを日頃から意識してもらいましょう。

④ 見守り支援との連携

可能であれば、訪問介護・配食・民生委員など地域資源とも連携し、孤立のリスクを減らします。

「午前中は誰とも話さない日が多い」などの情報があれば、日中の安否確認や声かけ支援を検討します。

高齢者にとって、「暑さ対策」「水分補給」は命に関わる重要なセルフケアです。

療法士は、生活全体を見渡せる立場として、単に指導するだけでなく、「できそうな環境」「習慣化できる工夫」を一緒に考えることが求められます。

介護保険におけるリハビリの考え方を深めたい方はこちらから → 記事を読む

投稿者
浅田 健吾先生
株式会社colors of life 訪問看護ステーション彩

平成21年に関西医療技術専門学校を卒業し、作業療法士の免許取得する。
回復期・維持期の病院勤務を経て、令和元年より株式会社colors of life 訪問看護ステーション彩での勤務を開始する。
在宅におけるリハビリテーション業務に従事しながら、学会発表や同職種連携についての研究等も積極的に行っている。
大阪府作業療法士会では、地域局 中河内ブロック長や地域包括ケア委員を担当しており、東大阪市PT.OT.ST連絡協議会の理事も務めている。
平成30年からは、大阪府某市における自立支援型地域ケア会議に助言者として参加している。

 

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