リハビリオンラインセミナーの選び方:失敗しない3つの基準

リハビリ専門職にとって、オンラインセミナーは手軽に学べる貴重な手段である。

しかし、数多くのセミナーが乱立する現在、「どれを選べば良いのか分からない」という声は少なくない。

ここでは、失敗しないリハビリオンラインセミナー選びの3つの基準を示したい。

第一の基準は「講師の臨床的実績」である。

単なる知識提供ではなく、実際の現場で成果を上げてきた講師かどうかを確認することが重要である。

SNSや学会発表の経歴だけでなく、臨床の現場にどれほど根ざしているかを見るべきである。

たとえば、急性期や回復期、在宅といった異なる領域での実践経験を持つ講師は、より現場的な視点を提供してくれる可能性が高い。

第二の基準は「内容の再現性」である。

セミナー後に自分の臨床で使えるかどうかが最大のポイントである。

抽象的な理論や症例紹介にとどまらず、明日から実践できる手技・評価法・考え方が提示されているかを確認すべきである。

さらに、配布資料や見逃し配信などのフォロー体制が整っているかも、理解を深める上で欠かせない。

第三の基準は「目的との一致」である。

自分が何を伸ばしたいのか、どの分野で専門性を高めたいのかを明確にした上で選ぶことが大切である。

なんとなく評判が良い、他人が受けているといった理由で選ぶと、結果的にモチベーションが続かず、学びが定着しにくい。

オンラインセミナーは、時間や場所に縛られず学べる反面、自ら選び取る力が問われる時代になっている。

上記3つの基準を意識すれば、ただの「視聴」で終わらず、自身の臨床力を確実に高める学びへと変えることができるであろう。

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筆者
高木綾一

理学療法士
認定理学療法士(管理・運営)
三学会合同呼吸療法認定士
修士(学術/MA)(経営管理学/MBA)
国家資格キャリアコンサルタント
株式会社Work Shift代表取締役
関西医療大学 保健医療学部 客員准教授

医療・介護分野の経営戦略や人材育成に精通し、年間100回以上の講演を実施。
医療機関や介護事業所の経営支援を通じて、組織の成長と発展をサポートする。
著書には 「リハビリ職種のキャリア・デザイン」「リハビリ職種のマネジメント」 があり、リハビリ職種のキャリア形成やマネジメントの実践的な知識を提供している。
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